月経(生理)トラブルとは
正常な月経とは、月経周期(前回の月経が始まった日から、今回の月経が始まった日までの日数のこと)が25~38日であり、変動が6日以内、月経の持続日数が37日、出血の量がトータルで20~140 gの範囲で起こります。
これらのいずれかに異常があれば、月経のトラブルがあると言えます。
月経周期の乱れは「月経不順」、月経の持続日数が長(短)いことを「過長(短)月経」、血の量が多(少な)いことを「過多(少)月経」と言います。
月経のトラブルの具体的な症状例
月経のトラブルは様々な形で現れ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。以下に代表的な例をご紹介します。
月経不順の例
- 月経周期が20日以下や45日以上になる
- 月経が3ヶ月以上来ない
- 月経周期が毎回大きく変動する
過多月経の例
- 昼間でも夜用ナプキンが必要
- 1時間でナプキンが満杯になる
- 夜中にナプキンを交換する必要がある
- 500円玉サイズの血塊が出る
月経痛の例
- 鎮痛薬を飲んでも痛みが治まらない
- 痛みで仕事や学校を休む
- 吐き気や嘔吐を伴う強い痛み
これらの症状が一つでも当てはまる場合は、月経のトラブルがある可能性を考慮し、適切な対処を検討することが大切です。
月経のトラブルの種類と症状
月経不順について
前提として、月経は排卵(卵巣から卵が飛びだすこと)が起こることで引き起こされます。
排卵が起こる仕組みですが、脳から出る2種類のホルモン(黄体刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン)と、卵巣からでる2種類のホルモン(黄体ホルモンと卵胞ホルモン)がバランスよく働くことで起こります。
ホルモンの分泌量やバランスなどは、様々な要因で容易に変化します。
心身の疲れやストレス、生活の変化、妊娠出産、性交渉などが影響することがあります。また、加齢による変化も大きく関係しており、「以前は全くトラブルがなかったが、数年前から月経が不順になった」とのことや、その逆の話もよくあることです。
20代前半くらいまでの年齢であれば、体としてホルモンを調整する機能が未熟であったり、進学や就職、初めての性交渉を経験したりなど、社会的な変化が大きいことからも、月経不順は稀なことではありません。
このように、月経不順があるからと言って、必ずしも何か病気があるというわけではなく、時間の経過で解決することもあります。
一方で、何か病気がある場合、「多嚢胞性卵巣症候群」など、女性ホルモンの分泌に関わる場所に原因があることが多いですが、「甲状腺機能異常」や「高プロラクチン血症」など、他の原因も否定はできません。
これらを調べるための具体的な検査として、血液検査、経膣超音波検査、(場合によっては、骨盤部MRI検査、子宮頸がん検査)があります。
過多(少)月経について
昼用のナプキン(20~26㎝くらい)が7割ほど吸している状態で、20~30ml程度の出血量となります。
月経の期間全体を通して、出血量の合計値が140mlを超えるようであれば、過多月経の可能性があります。
過多月経の原因として、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの病気が隠れていることがあります。これらの病気はいずれも経膣超音波検査で調べることができます。
過多月経があることで、貧血につながる可能性があります。貧血にも様々な種類がありますが、過多月経が原因で起こる貧血は、主に「鉄欠乏性貧血」と言われる貧血です。体のどこかから出血が慢性的に続くことで生じる貧血です。立ちくらみ、動悸・息切れ、疲れやすい、などの症状が起こることが多いです。その他に、「唇の端が切れやすい」「氷を好んで食べる」などの症状が出ることがあります。
過長(短)月経について
若い方の場合ですと、ホルモンバランスの崩れや、排卵を伴わない生理様の出血(無排卵周期)などが原因で起こることが多く、自然に改善することが多いです。
原因の中には、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症などの病気が隠れている場合もあります。これらは経膣超音波検査で調べることができます。また、稀ではありますが、血が固まりづらくなるような病気や、それに準ずる薬を内服していることで起こることもあります。
月経痛・月経困難症
月経期間中に起こる痛みが日常生活に支障をきたすほど強い場合を「月経困難症」といいます。下腹部痛や腰痛、頭痛などの症状が現れ、鎮痛薬を使用しても改善しない場合もあります。
月経困難症には、特に原因となる病気がない「機能性月経困難症」と、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となる「器質性月経困難症」があります。どちらのタイプかを判断するためには、適切な検査と診断が必要です。
月経前症候群(PMS)
イライラや気分の落ち込み、乳房の張り、腹部の膨満感、頭痛、むくみなどの症状が現れます。
症状の程度や種類には個人差があり、日常生活に大きな影響を与える場合もあります。
特に精神的な症状が強い場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と診断されることもあります。
【ちょっといつもと違うかもと思ったら】
月経のトラブルは多くの女性が経験する身近な問題です。正常な月経の範囲を知り、自分の月経の状態をチェックすることで、トラブルの早期発見につながります。
私たちのクリニックは、女性の院長が在籍しており、女性ならではのお悩みやご不安なことも患者さんに寄り添ってカウンセリングをいたします。Webからご予約いただけます。まずは気軽にご相談ください。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
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突然の月経の変化について
今まで順調だった月経に突然変化が起こることがあります。このような変化には様々な原因が考えられます。
- 強いストレスや環境の変化
- 体重の急激な増減
- 新しい薬の服用開始
- 妊娠の可能性
- 更年期の始まり
- 病気の発症
特に注意すべき症状として、大量出血、激しい痛み、発熱を伴う場合は、緊急性が高い場合があります。また、妊娠の可能性がある場合は、早めの確認が必要です。
年齢による変化も重要な要因で、10代後半から20代前半はホルモンバランスが安定しておらず、40代以降は更年期の影響で月経に変化が起こりやすくなります。
婦人科受診のタイミング
月経のトラブルで婦人科を受診するタイミングに迷う方も多いですが、以下の症状がある場合は受診を検討しましょう。
- 月経が3ヶ月以上来ない
- 月経周期が極端に短い(24日以内)または長い(39日以上)
- 月経量が異常に多い、または少ない
- 月経痛が日常生活に支障をきたす
- 月経前の症状が強く、生活に影響する
- 不正出血がある
- 月経の変化が3ヶ月以上続く
これらの症状がある場合は、我慢せずに早めに婦人科を受診することが重要です。
月経のトラブルの対処法
月経のトラブルは生活習慣の改善で軽減できる場合があります。
ストレス管理
- 適度な運動やリラクゼーション
- 十分な睡眠時間の確保
- 趣味や好きなことをする時間を作る
規則正しい生活
- 一定の時間に就寝・起床する
- バランスの良い食事を心がける
- 過度なダイエットは避ける
- 適度な運動習慣を身につける
基礎体温の記録
- 毎朝同じ時間に体温を測定
- 排卵の有無や月経周期の把握
- 症状との関連性を確認
これらの方法は、月経のトラブルの治し方として、まず試してみることができる基本的な対処法です。
生活習慣の改善だけでは症状が改善しない場合や、症状が重い場合は、医療機関での相談が必要です。
婦人科医による適切な診断により、症状の原因を特定し、個人に合った治療方針を決定することができます。
不安に思うことがあれば、いつでもご相談ください。お早目の受診・治療開始が肝心です。
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