睾丸(精巣)の腫れ

睾丸(精巣)の腫れとは

睾丸(精巣)の腫れは、様々な原因で発生する可能性がある症状です。片方もしくは両方の睾丸が腫れる、違和感や痛みを伴うなどの症状が特徴的です。
原因としては、精巣上体炎や精巣炎などの炎症性疾患、精索静脈瘤、精巣水瘤、外傷、性感染症、まれに精巣腫瘍などが挙げられます。特に急激な痛みを伴う場合は、精巣捻転の可能性があり、放置すると精巣が壊死する恐れがあるため、緊急の医療処置が必要です。

睾丸の腫れに気付いた場合、その原因特定のために泌尿器科での診察が推奨されます。
医師は視診や触診、超音波検査などを行い、適切な診断と治療方針を決定します。炎症性疾患の場合は抗生物質による治療、精索静脈瘤や水瘤の場合は経過観察や手術的治療、腫瘍の疑いがある場合はさらなる精密検査と適切な治療が必要となります。

男性生殖器の構造について

睾丸(精巣)とは

睾丸は、男性生殖器の重要な器官で、陰嚢内に左右一対で存在します。主な機能は精子の産生とテストステロンなどの男性ホルモンの分泌です。通常、大きさはそれぞれ楕円形で長径4cm程度、重さは15~20g程度です。精巣は精子形成に適した温度を保つため、体温より約2度低い状態に保たれています。

精巣上体とは

精巣上体は、精巣の後ろ側に接して存在する細長い器官です。精巣で作られた未熟な精子がここを通過する間に成熟し、運動能力を獲得します。また、精子を一時的に貯蔵する機能も持っています。全長は約4~6mで、精子の輸送路としても重要な役割を果たしています。

こんな症状でお悩みではありませんか

片側または両側の睾丸の腫れ

  • 通常の大きさより明らかに大きくなる
  • 触ると硬さに左右差を感じる場合がある

違和感や痛み

  • じわじわとした鈍痛や急激な激痛がある
  • 立ったり歩いたりする際に痛みが増強する
  • 排尿時に痛みがある
  • 軽く触れただけでも痛みを感じる
  • 下腹部まで痛みが広がることもある

陰嚢(睾丸を包む袋)の変色

  • 赤みを帯びる
  • むくみによる皮膚の張り

発熱や倦怠感

  • 特に感染症が原因の場合に全身症状として現れる
  • 38度以上の発熱を伴うことがある


これらの症状が見られた場合、特に急激な痛みを伴う場合は早急に泌尿器科の受診をお勧めします。

近年は男性のヘルスリテラシーも大きく向上

睾丸に関する健康問題は、男性の健康と生活の質に大きく影響を与える重要な課題となっています。日本泌尿器科学会の調査によると、20〜40代の男性の約15%が睾丸に関する何らかの不安や症状を経験しているとされています。しかし、デリケートな部位であることから、医療機関への相談を躊躇する傾向が強く、実際に受診するのは症状のある人の3割程度に留まっています。

しかし一方で近年は、若い世代のヘルスリテラシー向上により、自己触診の重要性への認識は高まっているほか、不妊に関する相談も増加傾向にあり、生殖機能への関心も高まっています。

当クリニックは男性の健康全体を診るメンズヘルスケアの診療科目も設置しており、最新の検査設備も完備しております。
「いつもと違う気がする」「こんな症状が気になる」という方は、まずは一度ご相談ください。

※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。 
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)

睾丸(精巣)の腫れの原因

睾丸(精巣)が腫れる場合、以下の疾患が原因の可能性があります。

精巣上体炎

精巣上体炎は、精巣上体に発生する炎症性疾患です。主に細菌感染が原因で発症し、尿道炎や膀胱炎から上行性に感染することが多く見られます。
30~40代の男性に多い疾患で、突然の発熱や精巣の痛み、腫れを伴います。また、排尿時の痛みや頻尿などの症状も特徴的です。適切な抗生物質による治療で改善が見込まれますが、治療が遅れると慢性化する可能性があり、不妊の原因となることもあります。

精巣炎

精巣炎は、精巣自体に炎症が生じる疾患です。主にムンプスウイルス(おたふくかぜ)による感染や、細菌感染が原因となります。特に思春期以降の男性がおたふくかぜに感染した場合、約30%で精巣炎を併発するとされています。急激な精巣の腫れと痛み、発熱などの症状が特徴的です。重症化すると精子形成機能に影響を与え、不妊の原因となる可能性があるため、早期の治療が重要です。

精巣水瘤

精巣水瘤は、精巣を覆う膜(精巣鞘膜)の間に液体が貯留する良性の疾患です。新生児に見られる先天性のものと、成人期に発症する後天性のものがあります。痛みを伴わない陰嚢の腫大が特徴で、透光性があることが特徴的です。多くの場合は経過観察で問題ありませんが、大きさが増大したり不快感が強い場合は手術的治療を検討します。

性感染症

性感染症による睾丸の腫れは、主にクラミジアや淋菌などの感染により発生します。感染は尿道から始まり、上行性に精巣上体や精巣に波及することで炎症を引き起こします。症状として排尿時痛や尿道からの分泌物、発熱などを伴うことが特徴的です。パートナーの同時治療が必要であり、適切な抗生物質治療を行わないと慢性化や不妊の原因となる可能性があります。

精巣腫瘍

精巣腫瘍は、20~30代の若い男性に多く見られる悪性腫瘍です。初期症状として無痛性の精巣腫大が特徴的で、徐々に大きくなっていきます。早期発見・早期治療で90%以上の治癒率が期待できる疾患ですが、進行すると他の臓器への転移の可能性もあります。月1回程度の自己触診による早期発見が重要で、腫れや硬さの変化を感じたら速やかに泌尿器科を受診することが推奨されます。

疾患以外が原因のケースも

睾丸の腫れや違和感は、生活習慣や衣服による一時的な影響で生じることもあります。きつめのズボンやウェアの着用による圧迫、デスクワークなどでの長時間の座位姿勢、自転車での長時間走行などが原因となることがあります。これらの場合、休息や衣服の調整で症状が改善することが多く見られます。

しかし、一時的な要因と思われる場合でも、症状が24時間以上続く場合や、違和感が繰り返し出現する場合は、重大な疾患の可能性を除外するため、必ず泌尿器科での診察を受けることが推奨されます。特に痛みを伴う場合や、精巣の形状に変化がある場合は、早急な受診が必要です。
自己判断による経過観察は、重大な疾患の発見の遅れにつながる可能性があることにご注意ください。

睾丸(精巣)の腫れ症状があるときの検査について

睾丸(精巣)の腫れ症状で来院された場合、まずは原因を特定するため、下記のような検査を行います。

問診・視診検査

医師が精巣の大きさ、形状、硬さ、圧痛の有無などを直接確認します。左右差や腫れの性状、精索部の状態なども詳しく診察します。この基本的な診察で、多くの場合、ある程度の病態把握が可能となります。

血液・尿検査

炎症の有無や程度を調べる血液検査や、感染症の有無を確認する尿検査を行います。必要に応じて腫瘍マーカー検査なども実施し、精巣腫瘍の可能性がないかを確認します。

超音波検査

痛みを伴わない安全な検査で、精巣内部の状態を詳しく観察できます。腫れの原因が炎症なのか、腫瘍なのか、水瘤なのかなどの鑑別に非常に有効です。血流の状態も確認でき、精巣捻転症の診断にも重要です。

精巣の腫れの治療について

精巣の腫れに対する治療法は、原因となる疾患によって異なるため、適切な診断に基づいた治療選択が重要となります。

感染症が原因の場合(精巣上体炎や精巣炎など)は、抗生物質による治療が基本となります。症状や原因菌に応じて適切な抗生物質が選択され、通常2~4週間程度の服用が必要です。また、安静や冷却などの対症療法も症状緩和に効果的です。

精巣水瘤などの場合、症状が軽度であれば経過観察となることもありますが、サイズが大きい場合や症状が強い場合は手術的治療が検討されます。現在では低侵襲な手術方法が確立されており、日帰り手術や短期入院での治療が可能です。

精巣腫瘍が認められた場合は、進行度に応じて手術(高位精巣摘除術)、抗がん剤治療、放射線治療などを組み合わせた治療が行われます。早期発見・早期治療により、高い治癒率が期待できます。
精巣捻転の場合は、発症から数時間以内の緊急手術が推奨される急性疾患です。速やかな手術により精巣を温存できる可能性が高くなります。

治療後は、原因疾患に応じて定期的な経過観察が必要となる場合があります。また、将来の妊孕性に影響する可能性がある場合は、必要に応じて精液検査なども実施されます。

ご予約から診察までの流れ

当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医により検査・治療を行っております。
ご不明な点がある場合は、お気兼ねなくご相談ください。

※以下は一例です。症状により検査および治療内容は異なりますのでご了承ください。

ご予約

当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。

※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。 
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)

予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。

来院・受付

ご予約いただいたお時間にご来院ください。
事前問診が未回答の方は問診表にご記入いただきます。
紹介状や健康診断の検査結果をお持ちになってご相談されたい方は、受付時にお渡しください。

検尿

検尿をご提出いただきます。
お悩みによっては検尿が不要な場合もございます。
基本的には検尿をお願いしておりますので、来院直前でのお手洗いはお控えください。

診察(問診・触診)

医師による診察を行います。
症状やお悩みについておうかがいします。
診断内容に基づき、治療方針をご説明いたします。

検査

追加で検査が必要な場合は検査を行います。
検査によっては、結果が出るまで数日かかる場合がございます。
検査結果および治療方法については医師が丁寧にご説明し、患者さまの不安解消に努めています。
お悩みや不安があれば、何でもご相談ください。

治療

治療を開始します。
経過観察が必要な場合は、次回のご来院のご予約をお取りいただきます。

ソウクリニック四条烏丸の特長

1.プライバシーに配慮した医院設計

泌尿器科は、そのお悩みや病気の性質上、「かかるのが恥ずかしい」「相談しにくい」と思われる方が多いようです。当クリニックでは、安心してご相談いただけるよう話し声が漏れない構造など、プライバシーに細部まで配慮したつくりになっております。話しづらいと思われることでも、心置きなくご相談いただけます。

2.分かりやすく丁寧な説明

当たり前かもしれませんが、当クリニックでは患者様に分かりやすい丁寧な説明を心がけております。
「医師の言っていることが分かりにくかった」「納得できないまま治療が始まってしまった」ということがないよう、患者さまお一人ひとりに対して説明する時間を十分にとり、分かりやすい言葉でお話しております。ご不明時は遠慮なくいつでも仰ってください。

3.総合的な健康へのアプローチ

当クリニックは泌尿器科だけでなく、複数の診療科目を設置しております。例えば、男性であればメンズヘルス外来、女性であれば婦人科、乳腺外科などです。患者さまの症状や検査結果に応じては、泌尿器科に限定することなく、他の診療科目と連携しながら治療計画を立てることができるため、総合的な健康へのアプローチができるという点からも高い信頼感・安心感をいただいております。

よくある質問(FAQ)

Q: 精巣の腫れに気付いたら、すぐに病院を受診した方がいいですか?

A: はい、精巣の腫れを感じたら、早めに泌尿器科の受診をお勧めします。特に急激な痛みを伴う場合は、精巣捻転の可能性があり緊急性が高いため、すぐに受診してください。腫れの原因は様々で、中には早期治療が重要な疾患もあります。自己判断での経過観察は避け、専門医による適切な診断を受けることが大切です。

Q: 精巣の自己触診は必要ですか?頻度はどのくらいがよいですか?

A: 自己触診は精巣の異常を早期発見する上で重要です。月1回程度、入浴時などにリラックスした状態で行うことをお勧めします。左右の大きさや硬さの違い、しこりの有無などを確認してください。普段の状態を知っておくことで、変化に気付きやすくなります。

Q:精巣の腫れは不妊につながる可能性がありますか?

A: 原因となる疾患によっては、不妊のリスクが高まる可能性があります。特に精巣上体炎や精巣炎が重症化したり慢性化したりした場合、精子形成機能に影響を与えることがあります。そのため、症状がある場合は早期の受診と適切な治療が重要です。なお、多くの場合、適切な治療により機能は保たれます。

Q:運動や激しい運動の後に精巣が腫れることがありますが、心配すべきですか?

A: 運動後の一時的な腫れや違和感は、過度の運動や圧迫による一過性の症状の可能性があります。ただし、症状が24時間以上続く場合や、繰り返し発生する場合は、泌尿器科での診察をお勧めします。適切なスポーツウェアの選択や、必要に応じて適度な休憩を取ることも重要です。

Q:精巣の腫れの検査は痛みを伴いますか?

A:基本的な検査である視診・触診や超音波検査は、痛みをほとんど伴いません。当クリニックでは患者さまの痛みに配慮しながら、優しく丁寧に診察を行います。触診時に若干の不快感を感じることはありますが、これは正確な診断のために必要な検査です。不安がある場合は、検査の前に医師にお伝えください。

予約・お問い合わせ

私たちのクリニックは、患者さまのお悩みや不安に寄り添うことを第一にしております。話しづらいこと、気になっていることなど、我慢せず何でもお話ください。

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※当院はご予約制となっております。※当院はご予約制となっております。 急なご来院希望の際はお電話ください。
お電話が混み合うことがございますのでご了承ください。
※待合室は診察をお受けになる方にご用意しております。
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