陰嚢の痛みとは
陰嚢の痛みとは、睾丸(精巣)や精巣上体などが入っている陰嚢(いんのう)と呼ばれる袋状の組織に生じる痛みや不快感のことを指します。この症状は軽度の鈍痛から激しい急性痛まで様々な程度があり、日常生活に支障をきたすこともあります。
陰嚢の痛みは、急性に発症する場合と慢性的に続く場合があります。急性の痛みは突然発症し強い痛みを伴うことが多く、精巣捻転などの緊急性の高い疾患の可能性があります。一方、慢性の痛みはより軽度で長期間持続する傾向があります。
陰嚢痛の原因は多岐にわたり、炎症性疾患、外傷、腫瘍、血流の問題など様々な要因が考えられます。痛みのほかに、腫れ、発赤、発熱などの症状を伴うことも多いです。
陰嚢の痛みを感じた場合、特に急性の強い痛みの場合は迅速な医療機関の受診が重要です。適切な診断と治療により、多くの場合症状の改善や合併症の予防が可能となります。
こんな症状でお悩みではありませんか
陰嚢の痛みに関連して現れる主な症状には以下のようなものがあります。
- 陰嚢内の鈍痛または鋭い痛み
- 陰嚢の腫れ(片側または両側)
- 陰嚢の皮フの発赤
- 陰嚢内のしこりや硬結
- 陰嚢の付け根の違和感・痛み
- 鼠径部(そけいぶ)の痛み
- 発熱
- 排尿時の痛み
- 尿の異常(血尿、濁り)
- 性交痛
- 精液の異常(血精液)
- 陰嚢の違和感
これらの症状の組み合わせや持続期間により、原因となる疾患の特定に役立ちます。
陰嚢の痛みは泌尿器科へ
陰嚢の痛みを感じたら、早めの泌尿器科受診をお勧めします。
痛みの原因には精巣捻転や精巣上体炎、ヘルニアなど様々な可能性があり、中には緊急性の高い症状もあります。特に突然の強い痛みは迅速な医療処置が必要なケースがあります。
痛みを感じたら、まず清潔なタオルで包んだ氷嚢や冷たいパックを当てることで一時的に症状が和らぐことがあります。ただし、これはあくまで応急処置であり、根本的な治療のためには専門医による適切な診断と治療が不可欠です。自己判断で放置せず、違和感や痛みが続く場合は速やかに泌尿器科を受診しましょう。
陰嚢の痛みで考えられる原因
精巣捻転症
精巣捻転は、精巣が精索(血管や精管が通る索状組織)とともに捻じれて血流が遮断される緊急疾患です。突然の激しい陰嚢痛と腫れを特徴とし、多くは10代から20代の若年層に発症します。発症から6時間以内の手術的治療が必要で、放置すると精巣の壊死につながる可能性があります。吐き気や嘔吐を伴うこともあり、夜間や寒冷時、運動後などに発症することが多いです。精巣を救うためには迅速な診断と治療が不可欠です。
精巣上体炎
精巣上体炎は、精巣上体(精子を貯蔵・輸送する管)に生じる炎症性疾患です。細菌感染が主な原因で、尿道炎や前立腺炎から波及することが多いです。徐々に増強する陰嚢痛、腫れ、発赤、発熱などを特徴とします。若年者ではクラミジアなどの性感染症が、高齢者では尿路感染症が関連していることが多いです。抗菌薬による治療が基本ですが、安静と陰嚢挙上なども症状緩和に役立ちます。
鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアは、腹部の内容物(主に腸管や脂肪組織)が鼠径部の脆弱部から陰嚢側に脱出する状態です。立位や力んだときに陰嚢上部や鼠径部の膨隆と痛みを特徴とし、横になると自然に戻ることが多いです。慢性的な不快感や鈍痛を感じることが一般的ですが、脱出した腸管が絞扼されると激しい痛みと緊急手術が必要な状態となります。根本的な治療は手術(メッシュによる修復など)となります。
衣類の締め付けや姿勢
陰嚢の痛みは、ズボンやパンツの締め付けが原因となることがあります。特にきつい下着や窮屈なズボンを長時間着用していると、圧迫による不快感や痛みを引き起こす可能性があります。また、長時間同じ姿勢、特に座りっぱなしの状態が続くと血行不良を招き、不快感につながることもあります。
このような場合は、締め付けの少ないゆったりとした下着に変える、適度に立ち上がって軽く体を動かす、姿勢を変えるなどの対策が効果的です。日常生活での小さな工夫で症状が改善することもありますので、ぜひ試してみてください。
陰嚢の痛みに対する対処について
陰嚢の痛みを感じたら、特に急性の強い痛みの場合は早急に泌尿器科や救急外来を受診することをお勧めします。特に精巣捻転の可能性がある場合は、発症から6時間以内の手術が必要とされており、時間との勝負となります。
泌尿器科では、問診や視診、触診に加え、超音波検査(エコー)を行い、陰嚢内の血流状態や異常所見を確認します。必要に応じて尿検査や血液検査、CT検査なども実施し、原因疾患の診断を行います。
診断結果に基づき適切な治療が行われます。炎症性疾患では抗菌薬治療、鼠径ヘルニアでは手術など、原因に応じた治療アプローチが選択されます。
自己判断での対処は避け、専門医の診断を受けることが重要です。特に若年者の急性陰嚢痛は精巣捻転の可能性を念頭に置き、生殖機能を守るためにも迅速な医療機関の受診をお勧めします。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
陰嚢の痛みに関する検査と性感染症について
陰嚢の痛みでご来院された場合、まず詳しい問診と視診・触診から始めます。痛みの性質、発症時期、持続時間、随伴症状などを丁寧に確認します。
次に超音波検査(エコー)を行い、陰嚢内の構造や血流状態を評価します。これにより精巣捻転や炎症性疾患、腫瘍などの鑑別が可能となります。また尿検査や血液検査も実施し、感染症の有無や炎症反応を調べます。
当クリニックでは性感染症に関する検査も行っております。クラミジアや淋菌感染が陰嚢痛の原因となることもあり、適切な検査と治療が重要です。
陰嚢の痛みは男性にとって不安を伴う症状ですが、原因によっては緊急性の高いものもあります。特に若年者の急性陰嚢痛は速やかな診断が必要です。どんな些細な症状でもご不安な点があれば、ぜひ当クリニックにご相談ください。プライバシーに配慮した環境で、適切な診断と治療をご提供いたします。
ご予約から診察までの流れ
当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医により検査・治療を行っております。
ご不明な点がある場合は、お気兼ねなくご相談ください。
※以下は一例です。症状により検査および治療内容は異なりますのでご了承ください。
ご予約
当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。
来院・受付
ご予約いただいたお時間にご来院ください。
事前問診が未回答の方は問診表にご記入いただきます。
紹介状や健康診断の検査結果をお持ちになってご相談されたい方は、受付時にお渡しください。
検尿
検尿をご提出いただきます。
お悩みによっては検尿が不要な場合もございます。
基本的には検尿をお願いしておりますので、来院直前でのお手洗いはお控えください。
診察(問診・触診)
医師による診察を行います。
症状やお悩みについておうかがいします。
診断内容に基づき、治療方針をご説明いたします。
検査
追加で検査が必要な場合は検査を行います。
検査によっては、結果が出るまで数日かかる場合がございます。
検査結果および治療方法については医師が丁寧にご説明し、患者さまの不安解消に努めています。
お悩みや不安があれば、何でもご相談ください。
治療
治療を開始します。
経過観察が必要な場合は、次回のご来院のご予約をお取りいただきます。
ソウクリニック四条烏丸の特長
1.プライバシーに配慮した医院設計
泌尿器科は、そのお悩みや病気の性質上、「かかるのが恥ずかしい」「相談しにくい」と思われる方が多いようです。当クリニックでは、安心してご相談いただけるよう話し声が漏れない構造など、プライバシーに細部まで配慮したつくりになっております。話しづらいと思われることでも、心置きなくご相談いただけます。
2.分かりやすく丁寧な説明
当たり前かもしれませんが、当クリニックでは患者様に分かりやすい丁寧な説明を心がけております。
「医師の言っていることが分かりにくかった」「納得できないまま治療が始まってしまった」ということがないよう、患者さまお一人ひとりに対して説明する時間を十分にとり、分かりやすい言葉でお話しております。ご不明時は遠慮なくいつでも仰ってください。
3.総合的な健康へのアプローチ
当クリニックは泌尿器科だけでなく、複数の診療科目を設置しております。例えば、男性であれば内科やメンズヘルス外来などです。患者さまの症状や検査結果に応じては、泌尿器科に限定することなく、他の診療科目と連携しながら治療計画を立てることができるため、総合的な健康へのアプローチができるという点からも高い信頼感・安心感をいただいております。
よくある質問(FAQ)
Q: 陰嚢の痛みはいつ受診すべきですか?
A: 突然発症した強い陰嚢痛、特に若年者で運動後や睡眠中に起こった場合は、精巣捻転の可能性があり緊急受診が必要です。精巣捻転は発症から6時間以内に手術しないと精巣が壊死するリスクがあります。また、陰嚢の著しい腫れや発赤、高熱を伴う場合も早急に受診してください。痛みが軽度でも徐々に悪化する場合は、感染症などの可能性があり、放置せずに泌尿器科を受診しましょう。
Q: 陰嚢の痛みと腰痛は関連していますか?
A: はい、両者には関連があることがあります。尿管結石や腎結石からの放散痛として、腰痛と陰嚢痛が同時に現れることがあります。また前立腺炎や精嚢炎などの骨盤内の炎症が、腰部と陰嚢両方に痛みを引き起こすこともあります。神経の走行経路から、腰椎疾患が陰嚢への放散痛として現れることもあります。陰嚢痛と腰痛が持続する場合は、泌尿器科と整形外科の両方での評価が必要になることもあります。
Q:日常生活で陰嚢の痛みを予防する方法はありますか?
A: 陰嚢痛の予防には、適切な陰部の衛生管理が重要です。毎日のシャワーや入浴で清潔に保ち、通気性の良い下着を着用しましょう。激しいスポーツ時は適切なサポーターの使用が外傷を防ぎます。性感染症予防のためのコンドーム使用や、パートナーが限定されていない場合の定期検査も大切です。座りっぱなしの生活は前立腺や精巣への圧迫につながるため、適度な休憩と運動を心がけましょう。重い物を持ち上げる際は正しい姿勢で行い、鼠径ヘルニアのリスクを減らすことも大切です。
Q: 陰嚢の痛みにはどのような検査が行われますか?
A: 陰嚢痛の検査では、まず問診と視診・触診が行われ、痛みの性質や局在を確認します。超音波検査(エコー)は非侵襲的で重要な検査で、陰嚢内の構造や血流状態を評価します。尿検査では感染症の有無を、血液検査では炎症反応や腫瘍マーカーを調べます。また性感染症が疑われる場合は、尿道分泌物の培養検査などが実施されます。これらの検査結果を総合的に判断し、適切な治療方針が決定されます。
Q:慢性的な陰嚢痛の原因と治療法は?
A:慢性陰嚢痛(3ヶ月以上続く痛み)は、慢性前立腺炎、精巣上体嚢胞、神経痛など様々な原因が考えられます。また、明らかな身体的異常がなくても痛みが続く場合は、慢性陰嚢痛症候群と診断されることがあります。治療には、原因疾患の治療に加え、抗炎症薬の服用、理学療法、認知行動療法などが用いられます。長引く陰嚢痛は生活の質に大きく影響するため、泌尿器科専門医に相談し、適切な診断と個別化された治療計画を立てることが重要です。
予約・お問い合わせ
私たちのクリニックは、患者さまのお悩みや不安に寄り添うことを第一にしております。話しづらいこと、気になっていることなど、我慢せず何でもお話ください。
Webからは24時間ご予約いただけます。まずは気軽にご相談ください。