月経移動とは
月経移動とは、ピル(経口ホルモン剤)を服用することで、本来の生理(消退出血)が来るタイミングを数日から1週間程度、意図的に「早める」あるいは「遅らせる」方法です。旅行、結婚式、スポーツの試合、資格試験など、大切な予定が生理と重なってしまう際、身体の状態をコントロールしてベストコンディションで当日を迎えるための有効な手段として広く活用されています。
月経移動の仕組み
女性の体は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンの増減によって生理周期が作られています。生理の前にはこれらのホルモン量が急激に低下し、その変化を合図に子宮内膜が剥がれ落ちて生理が始まります。月経移動では、ピルを服用して体内のホルモン濃度を一定に保つことで、子宮内膜が剥がれるタイミングを調整します。
安全性と体への影響
「薬で生理を無理に動かして大丈夫なのか」と不安に思う方もいらっしゃいますが、適切な指導のもとで一時的に服用する場合、その後の生理周期や将来の妊娠しやすさ(妊孕性)に悪影響を及ぼすことはありません。服用を止めれば、数日以内に自然なホルモンバランスへと戻り、次の生理が訪れます。ただし、個人の体質や持病によっては服用できない場合もあるため、必ず医師の診察を受ける必要があります。
生理を「遅らせる」方法のメリット・デメリット
生理を「遅らせる」方法は、予定日が近づいてからでも対応できるため、月経移動の中で最も一般的に選択される方法です。
服用のスケジュール
生理が来そうな予定日の5日前から7日前には服用を開始し、生理を避けたい最終日まで毎日1錠、決まった時間に飲み続けます。服用を止めてから2〜5日ほどで生理(消退出血)が始まります。例えば、旅行期間が5日間であれば、その5日間はずっと飲み続け、帰宅した日に服用を終えるというイメージです。
メリット
直前の相談でも間に合う:生理予定日の約1週間前までに受診すれば対応可能なため、「急に予定が入った」「生理が早まりそうで不安」といった場合でも柔軟に対処できます。
阻止の確実性が高い:生理が始まる直前までホルモンを補充し続けるため、正しく服用すれば予定期間中に生理が来るのを確実に防ぐことができます。
生理開始日を予測しやすい:服用を止めて数日後に生理が来るため、その後のスケジュールも立てやすくなります。
デメリットと注意点
イベント中に薬を飲む必要がある:旅行中や試験当日も毎日決まった時間に服用し続けなければなりません。飲み忘れるとその時点で生理が始まってしまうリスクがあるため、注意が必要です。
副作用の影響を受ける可能性がある:月経移動には通常、低用量ピルよりもホルモン含有量が多い「中用量ピル」が使用されます。そのため、移動したい期間中(イベント当日など)に、吐き気や頭痛、浮腫(むくみ)といった副作用を感じる場合があります。
妊娠の可能性がないことが条件:生理を遅らせる期間は、本来生理が来るべき時期に薬を飲むことになります。妊娠の可能性がある場合は、胎児への影響を考慮し、この方法を選択することはできません。
生理を「早める」方法のメリット・デメリット
生理を「早める」方法は、大切な予定の当日に薬を飲む必要がなく、万全の体調で当日を迎えたい方に推奨される方法です。
服用のスケジュール
生理を早めるためには、移動させたい生理の「一つ前の生理」が始まった直後、遅くとも生理開始から5日以内には受診し、服用を開始する必要があります。通常、10日間から14日間ほど連続してピルを服用し、服用を止めた数日後に本来の予定日よりも早く生理(消退出血)を発生させます。 つまり、生理を避けたいイベントが始まる「前」に、あらかじめ生理を終わらせておくという考え方です。
メリット
イベント当日に薬を飲まなくて良い:これが最大のメリットです。旅行中や試験当日に薬の飲み忘れを心配する必要がなく、副作用(吐き気など)に悩まされることもありません。
副作用の影響を事前に終わらせられる:服用期間中に副作用が出たとしても、それはイベントの数日〜数週間前のことであるため、当日のパフォーマンスには影響しません。
避妊効果の付随:月経移動に使用するピルには避妊効果もあります(※正しく服用した場合)。早める方法であれば、服用期間中の避妊も同時に行えるため、安心感につながります。
デメリットと注意点
非常に早い受診が必要:生理が始まった直後の段階で受診しなければならず、予定の数週間前にはアクションを起こす必要があります。「来週の予定をずらしたい」といった直前の相談では、この方法は選択できません。
移動できる日数が限定的:生理周期の仕組みを利用するため、大幅に早めることは難しく、通常は数日〜1週間程度の調整となります。
生理の量が少なくなることがある:早めに子宮内膜を剥がすため、通常の生理よりも出血量が少なかったり、日数が短かったりすることがありますが、医学的には問題ありません。
月経移動で使われるピルの副作用と対処法
月経移動には、低用量ピルよりもホルモン量が多い「中用量ピル」が一般的に使用されます。そのため、副作用の現れ方や対処法を事前に知っておくことが重要です。
副作用と対処法
主な副作用:吐き気と頭痛
最も頻度の高い副作用は「吐き気」です。服用を開始してから数日間は、胃のむかつきや、ひどい場合には嘔吐してしまうこともあります。これは体が一時的な高濃度のホルモン状態に反応しているために起こります。
副作用への対処法
吐き気止めを併用する:当院では、ピルを処方する際に吐き気止めを同時にお出しすることが可能です。ピルを飲む30分ほど前に吐き気止めを飲んでおくことで、不快感を大幅に軽減できます。
服用時間を工夫する:夕食後や寝る前に服用することで、吐き気が強い時間帯に眠っている状態になり、不快感をやり過ごしやすくなります。
水分をしっかり摂る:血栓症の予防も含め、服用期間中はこまめな水分補給を心がけてください。
飲み忘れてしまったら
月経移動中に1錠でも飲み忘れると、体内のホルモン濃度が急落し、その時点で予定外の出血(生理)が始まってしまうことがあります。一度始まってしまった出血を薬で止めることは難しいため、アラームを設定するなどして、24時間ごとの服用を厳守してください。
ピルの服用をお勧めできない人
- 35歳以上で、1日に15本以上喫煙されている方(本数に関わらず禁煙が強く推奨されます)
- 前兆(目がチカチカするなど)を伴う片頭痛がある方
- 血栓症(静脈血栓症、肺塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞など)にかかったことがある方、またはその家族歴があり遺伝的にリスクが高い方
- 重度の高血圧(収縮期160mmHg以上など)や、コントロールできていない重症糖尿病、脂質異常症(高脂血症)がある方
- BMIが30以上の肥満の方
- 大きな手術を控えている、または手術後や長期安静臥床が必要な方(血栓ができやすいため)
- 乳がんや子宮体がんなど、女性ホルモンに感受性がある病気の疑いがある、または現在かかっている方
- 原因不明の不正性器出血がある方
- 妊娠中の方、またはその可能性がある方
- 出産後6週間以内の方(特に授乳中)
- 重度の肝機能障害がある方(ピルの代謝に影響が出るため)
上記以外にも、持病や他の薬との飲み合わせによって服用が慎重になる、またはできない場合があります。ピルの服用を検討されている方は、必ず医師に既往歴、現在の健康状態、服用中の全ての薬(サプリメント含む)、喫煙習慣を正確にお伝えください。
ご予約から診察までの流れ
ご予約
当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。
診察と服用診断
正確なスケジュール管理と指導: 「いつから飲み始めればいいのか」「いつ止めるべきか」は、生理周期やイベントの日程によって異なります。当院ではカレンダーを用いて、分かりやすく具体的な服用スケジュールを指導いたします。
副作用への配慮: 中用量ピルによる吐き気が不安な方には、あらかじめ吐き気止めを併用する処方を行うなど、服用期間中のQOL(生活の質)を下げない工夫を行っています。
定期的な経過観察とフォローアップ
通いやすい診療体制: 四条烏丸駅から徒歩1分の好立地に加え、木曜日は夜19時まで診療。お仕事帰りや急な予定が入った際も、WEBから24時間ご予約いただけます。
安心の自費診療価格: 月経移動は自費診療となりますが、当院では安心して受診いただける明確な料金体系を整えています。詳細は受付にてお尋ねください。
料金
ファボワール 1ヶ月分 3,300円 (税込み価格)
スリンダ錠 1ヶ月分 3,500円 (税込み価格)
処方には別途診察料がかかります。(診察料は500~1,500円程度かかります。料金は時間や初再診により異なります。)
ソウクリニック四条烏丸の特長
1.女性の院長が在籍し、女性医師・女性スタッフが対応
女性ならではのお悩みやご不安なことも患者さんに寄り添って女性医師がカウンセリングをいたします。婦人科は検査も女性スタッフが対応しておりますので、はじめて婦人科にかかる方も、安心してご相談いただけます。
2.完全予約制で待ち時間少なく快適な診療体験を
当クリニックは完全予約制のため、待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。ご予約はお電話または24時間365日WEBにて受け付けております。診察時間は月曜日から土曜日までは朝9時半から5時まで、木曜日は夜7時まで行っております。また、お問合せ時の状況によっては、予約なしでも診察いたしますので、まずはお電話ください。
3.すべての年代のお悩みに幅広く対応
当クリニックの婦人科は、すべての年代の女性のお悩みに対応しております。
年齢とともに変化する女性のからだは、年代に応じてその悩みも変化していきます。しかし「何となくこういうもの」と我慢して疾患や不調のシグナルを見過ごしてほしくないため、気になることや不安なことなどを丁寧にヒアリングしております。医師からの説明も「分かりやすい」を心がけておりますので、ご安心ください。
よくある質問(FAQ)
Q:中学生や高校生でも月経移動はできますか?
A: はい、可能です。受験や修学旅行、部活動の大会などのために月経移動を希望される学生の方は多くいらっしゃいます。当院では年齢や体格、初経からの期間などを考慮し、安全に配慮した処方を行っております。
Q:月経移動中に避妊効果はありますか?
A: ピルを正しく服用している期間は、排卵が抑制されるため高い避妊効果が期待できます。ただし、服用を止めた後はすぐに排卵が再開する可能性があるため、次の生理を確認するまでは他の避妊法を併用してください。
Q:低用量ピルを服用中ですが、月経移動はできますか?
A: はい、可能です。普段から低用量ピルを飲んでいる方の場合は、休薬期間(偽薬期間)を調整するだけで生理をずらすことができるため、中用量ピルを追加する必要がないケースもあります。主治医に相談の上、シートの調整方法を確認しましょう。
Q:薬を飲んでいるのに出血してしまったら?
A: 飲み忘れや体の吸収状態、あるいはホルモン量の不足により、服用中に少量の出血(破綻出血)が起こることがあります。出血があっても服用を続けることで止まる場合もありますが、自己判断せず、すぐに当院へお電話で状況をご相談ください。
Q:以前ピルで体調を崩したことがあっても大丈夫ですか?
A: 過去に副作用が強かった方や、血栓症のリスクが高い方には、別の種類の薬剤を検討したり、より慎重な経過観察を行ったりします。問診時に以前の状況を詳しくお聞かせください。
予約・お問い合わせ
私たちのクリニックは、女性の院長が在籍しており、女性ならではのお悩みやご不安なことも患者さんに寄り添ってカウンセリングをいたします。
Webからご予約いただけます。まずは気軽にご相談ください。




