乳房の腫れ

乳房(胸)の腫れとは

乳房(胸)の腫れは、乳房の一部または全体が通常より大きくなり、触ると違和感や痛みを感じる状態を指します。この症状は多くの女性が経験するもので、原因は様々です。時に深刻な病気の兆候である可能性もあるため、正しい理解と適切な対処が重要です。

乳房の腫れの主な症状

乳房の腫れとは、具体的に以下のような症状を指します。

  • 乳房の一部または全体の腫れ
  • 触ると痛みを感じる/触らなくても痛みを感じる
  • 皮膚の赤み
  • 熱感
  • しこりの形成
  • 乳首からの分泌物
  • 全身の倦怠感や発熱(感染症の場合)


これらの症状の程度や組み合わせは、その原因によって異なります。 もし当てはまる症状が複数ある場合は、医療機関の受診をお勧めします。

乳房が腫れる原因

乳房が腫れるとき、様々な要因が考えられますが、大きくは乳房の疾患と、疾患以外のものに分けられます。もし眠れないほど痛い場合や熱感がある、乳首からの分泌物がある場合は、細菌感染などが考えられ、放置すると悪化したり、重大な疾患を見逃すことになります。症状が重くなる前に、なるべく早い段階で医療機関に受診するとよいでしょう。

一方で、生理周期によっては、胸が腫れるような感じがすることや、サイズの合っていない下着の締め付けによって、腫れたような痛みを感じる場合もあります。こうしたケースでは生活リズムの見直しや適切なサイズの下着選びなどによって、症状が緩和されることもあります。
「つらいけど大丈夫…」と無理をせず、正しく対処できるよう、乳房の腫れの原因を知ることが大切です。

考えられる疾患

感染症

症状
・乳房の発赤、腫れ、痛み
・発熱
・全身倦怠感
・リンパ節の腫れ

原因
乳房の感染症は主に細菌によって引き起こされます。傷口や乳頭の亀裂から細菌が侵入することで発症することがあります。また、授乳中の母親に多く見られる症状でもあります。

乳腺炎

症状
・乳房の一部または全体の腫れと痛み
・発熱
・悪寒
・乳房の熱感
・乳汁の出が悪くなる

原因
乳腺炎は主に授乳中の女性に見られる炎症性疾患です。乳管の詰まりや細菌感染が主な原因となります。体調不良や過度の疲労も乳腺炎のリスクを高める要因となります。

乳腺炎について詳しくはこちら

乳輪下膿瘍

症状
・乳輪の下の腫れと痛み
・発熱
・乳房の熱感
・膿の形成

原因
乳輪下膿瘍は、乳管の閉塞や感染によって引き起こされます。乳管内に細菌が増殖し、膿が溜まることで発症します。喫煙者や肥満の方にリスクが高いとされています。

炎症性乳がん

症状
・乳房の急激な腫れと発赤
・皮膚の肥厚や凹凸
・乳頭の陥没
・痛みやかゆみ
・リンパ節の腫れ

原因
炎症性乳がんは、乳がんの一種で、がん細胞がリンパ管を塞ぐことで炎症のような症状を引き起こします。他の乳がんと比べて進行が早く、早期発見・早期治療が非常に重要です。

疾患以外の原因

生理周期

生理周期と合わせて症状を感じる場合は、ホルモンの影響が考えられます。排卵後に分泌されるプロゲステロンというホルモンは、乳腺に働きかけて水分を蓄えようとします。この際、胸が腫れるような感じがしたり、張りや痛みが生じることがあります。
また、プロエストロゲンの作用により、乳腺内の血管が膨張して、少しの刺激でも痛みを感じることがあります。これらは生理周期に合わせて緩和されます。完全に症状をなくすことは難しいかもしれませんが、生活リズムを整えたり、アルコールの摂取を控えたり、マッサージすることによっても症状を軽減することができます。

サイズの合っていない下着

胸の腫れるような痛みは、サイズの合っていない下着を着用することによっても生じる場合があります。ブラジャーのワイヤー部分があたっていたり、きつい下着を長時間着用し、乳房を圧迫したりしていないでしょうか。下着を外した時にワイヤーの当たっていた部分が赤くなっていたり、しばらくたっても跡が消えない場合は、サイズが合っていない可能性が考えられます。
下着のサイズを見直したり、ノンワイヤーの下着を選んでみることでも、症状が改善される場合があります。

腫れて痛いときの対処法

乳房の腫れや痛みを感じた場合、以下の対処法が有効な場合があります。

冷却:腫れている部分に氷嚢や冷たいタオルを当てると、痛みや腫れを軽減できることがあります。
保温:感染症が疑われる場合は、乳房を温めることで血行を促進し、治癒を早める効果が期待できます。
適切なブラジャーの着用:サポート力のある適切なサイズのブラジャーを着用することで、乳房への負担を軽減できます。
授乳中の方は適切な授乳:乳腺炎の予防や改善のため、適切な授乳姿勢と頻度を心がけましょう。
休息:十分な休息をとり、体を休めることで症状の改善を促進します。

ただし、症状が持続する場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。特に、高熱や強い痛みがある場合は早急な対応が必要です。

日々のセルフチェックと定期的な検診の重要性

セルフチェックについて

乳房の腫れは、多くの女性が経験する症状です。その原因は様々ですが、適切な知識と対処法を身につけることで、快適に過ごすことができます。
重要なのは、自分の体調の変化に敏感になり、長期間続く症状や気になる変化があれば、躊躇せず医療機関を受診することです。早期発見・早期治療が、より良い結果につながります。
日々のセルフケアと定期的な検診を心がけ、心身ともに健康的な生活を送りましょう。

日常的に乳房の状態を意識するブレストアウェアネスについて詳しくはこちら

定期健診について

最後に乳がん検診を受けたのはいつですか。
日本人女性がかかるがんのなかでも最も多いのが乳がんですが、早期発見・早期治療によって根治できると言われています。しかし、その初期症状はほとんどないと言われているため、定期的な検診が欠かせません。

京都府では、40歳以上の女性の方に、2年に1回の乳がん検診を案内しており、当クリニックでも受け入れを行っております。自治体より検診の案内が届いた方は、お早めにご予約ください。自治体の乳がん検診がまだ届かない年代の方でも、気になる症状があれば、積極的に検査を受けるようにしましょう。

ご予約から診察までの流れ

当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医による以下の検査を行い、乳がんとの鑑別を含めた正確な診断を行います。

乳腺外科では、女性医師と女性スタッフが対応します。
「これまではなかなか聞きづらかった」「こんなこと聞いていいのか分からない」のようなお悩みをお持ちの方も、安心して何でもご相談ください。

ご予約

当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。

※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。 

TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)

予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。

診察(問診・触診)

専門医が症状の詳細や生活習慣などをお聞きし、乳房の状態を丁寧に確認します。これにより、患者さまの状態を総合的に把握します。
不安な症状がある方は、安心してご相談ください。診察の結果、必要に応じて検査を行います。

検査

検査の種類や順序は、症状や年齢に応じて最適なものを選択いたします。
ここでは、乳腺外科でよく行う検査について説明します。

超音波検査(エコー)

痛みがなく、放射線被ばくのない安全な検査です。乳房の内部構造を詳細に観察でき、小さなしこりの発見に優れています。

超音波検査(エコー)について詳しくはこちら

マンモグラフィ

乳房のX線撮影を行い、状態を観察していきます。乳がんの特長である石灰化の有無など、他の病変の検出にも有用です。当クリニックでは、最新機器である3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)を導入しています。

マンモグラフィについて詳しくはこちら

これらの検査を組み合わせることで、乳房全体の観察と、他の疾患(特に乳がん)との鑑別を行います。
検査結果は専門医が丁寧にご説明し、患者さまの不安解消に努めています。

治療は、薬物療法から生活習慣改善のアドバイスまで、一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた方法を提案しています。治療開始後もしっかりフォローアップしますので、お悩みや不安があれば、なんでもご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q: 胸が腫れている場合、何科を受診すればよいですか?

A: 基本的には乳腺外科や婦人科を受診することをお勧めします。ソウクリニック四条烏丸では、乳房の症状に対する専門的な診療を行っています。プライバシー保護にも配慮しておりますので、安心してご来院・ご相談ください。

Q: 胸を強く押すと痛いのは腫れですか?

A: 強く押したときのみ痛みを感じる場合、必ずしも腫れとは限りません。乳房は元々敏感な組織であり、強い圧迫で痛みを感じることは珍しくありません。ただし、日常生活で痛みを感じたり、触るだけで痛む場合は、腫れや炎症の可能性があります。持続する痛みや違和感がある場合は、専門医の診察を受けることをお勧めします。

Q:胸が熱を持っているのですが冷やしていいですか?

A: 乳房が熱を持っている場合、原因によって対処法が異なります。感染症や炎症が疑われる場合は、むしろ温めることで血行を促進し、治癒を早める効果が期待できます。一方、打撲などによる急性の腫れの場合は、冷却が効果的です。正確な原因がわからない場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な指示を受けることが重要です。

Q:胸が腫れていますがお風呂に入ってもいいですか?

A: 基本的には、通常通りお風呂に入ることは問題ありません。むしろ、適度な温熱刺激は血行を促進し、症状の改善に役立つ可能性があります。ただし、開放性の傷がある場合や、医師から特別な指示がある場合は注意が必要です。また、熱いお湯での長時間の入浴は避け、ぬるめのお湯で短時間の入浴を心がけましょう。症状が悪化する場合は、医療機関に相談してください。

Q:胸の腫れと痛みがある場合、マッサージは効果がありますか?

A: 胸の腫れと痛みがある場合、マッサージの効果は状況によって異なります。月経前症候群(PMS)による腫れの場合、優しいマッサージが症状緩和に役立つことがあります。しかし、感染症や炎症が原因の場合、マッサージは症状を悪化させる可能性があります。特に、乳腺炎や乳輪下膿瘍が疑われる場合は、マッサージを避けるべきです。また、原因不明の腫れや痛みがある場合、まずは医療機関を受診し、適切な診断と治療方針を受けることが重要です。

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私たちのクリニックは、女性の院長が在籍しており、女性ならではのお悩みやご不安なことも患者さんに寄り添ってカウンセリングをいたします。

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