組織診(針生検)とは
読み方:組織診(そしきしん)/針生検(はりせいけん)
組織診について
組織診(針生検)は、乳房の異常が疑われる部位から直接組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査方法です。マンモグラフィーやエコー(超音波検査)で異常が見つかった場合、その性質を正確に判断するために行われます。
組織診の主な目的
- 腫瘤(しゅりゅう)が良性か悪性かを判断する
- がんの場合、その種類や悪性度を特定する
- 適切な治療方針を決定するための情報を得る
組織診は、乳がんの確定診断に最も信頼性の高い方法とされており、早期発見と適切な治療計画の立案に不可欠です。
針生検の種類
太針生検
特徴
太針生検(コア針生検)は、直径1〜2mmの太い針を使用して組織を採取する方法です。局所麻酔を行い、皮膚に小さな切開を加えて針を挿入します。
メリット
- 比較的大きな組織片が採取できるため、詳細な病理診断が可能
- 一度の穿刺で複数の組織片を採取できる
- 石灰化を伴う病変の診断にも適している
デメリット
- 細胞診に比べて侵襲性が高い
- 出血や痛みのリスクがやや高い
- 検査後に軽度の腫れや内出血が生じることがある
料金
検査費用:2,500~3,000円程度(3割負担の場合)
超音波ガイド下吸引術
特徴
超音波ガイド下吸引術(バキューム生検)は、超音波で病変を確認しながら、吸引装置を備えた特殊な針で組織を採取する方法です。
メリット
- リアルタイムで病変を観察しながら正確に組織を採取できる
- 一度の穿刺で多くの組織を採取可能
- 小さな病変や微細石灰化の診断に適している
デメリット
- 検査費がやや高い
- 太針生検と同様に、軽度の出血や痛みが生じる可能性がある
料金
検査費用:25,000円~30,000円程度(3割負担の場合)
検査について
※下記検査治療の流れはあくまで一般的なものであり、実際は患者さまの症状や状況により変わります。
当日の流れ
問診・説明:医師が検査の目的や方法について詳しく説明し、患者様の質問にお答えします。
検査準備:検査台に横になり、消毒を行います。局所麻酔を使用する場合は、この時点で注射を行います。
組織採取:選択した方法(太針生検または超音波ガイド下吸引術)で組織を採取します。
止血・処置:採取後、圧迫して止血を行い、保護テープを貼ります。
注意事項説明:検査後の注意点について説明し、結果の説明日を伝えます。
針生検を受ける前の準備
針生検を安全かつスムーズに受けていただくために、以下の準備をお願いしています。
服装:上半身に着脱しやすい服をお選びください。
化粧・香水:胸部への化粧や香水の使用はお控えください。
食事:通常通りお召し上がりいただけます。
薬の確認:抗凝固薬を服用している場合は、必ず事前にお知らせください。
質問事項:検査に関する不安や疑問があれば、事前に書き出しておくとよいでしょう。
針生検後の生活と注意点
検査後は、以下の点に注意して日常生活をお送りください。
安静:検査当日は激しい運動を避け、ゆっくり過ごしましょう。
冷却:腫れや痛みがある場合は、氷嚢などで冷やすと効果的です。
入浴:48時間は湯船につかることを避け、シャワーは軽く浴びる程度にしてください。
痛み止め:必要に応じて、医師の指示に従って鎮痛剤を服用してください。
異常時の連絡:強い痛みや出血が続く場合は、すぐに当クリニックにご連絡ください。
ソウクリニック四条烏丸での針生検の特徴
当クリニックでは、最新の技術と経験豊富な医師による安全で正確な針生検を提供しています。
高度な技術:最新の超音波ガイド下吸引術装置を導入し、精密な組織採取を実現しています。
経験豊富な医師:乳腺専門医が検査を担当し、正確な診断と丁寧な説明を心がけています。
痛みの軽減:患者様の不安や痛みを最小限に抑えるため、細心の注意を払っています。
スピーディーな結果報告:院内での迅速な病理診断により、可能な限り早く結果をお伝えします。
アフターケア:検査後のフォローアップも充実しており、不安な点があればいつでもご相談いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q:針生検では何が分かりますか?
A: 針生検では、以下のような重要な情報が得られます。
・腫瘤が良性か悪性かの判断
・がんの場合、その種類(浸潤性乳管がん、非浸潤性乳管がんなど)
・がんの悪性度(グレード)
・ホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)の状態
これらの情報は、適切な治療方針を決定する上で非常に重要です。
Q:針生検後、いつまで痛みは続きますか?
A: 針生検後の痛みは個人差がありますが、通常は2〜3日程度で軽減します。
局所麻酔の効果が切れると、軽度の痛みや不快感を感じることがありますが、市販の鎮痛剤で対応可能な程度です。
1週間以上痛みが続く場合や、痛みが増強する場合は、当クリニックにご相談ください。
Q:「生検」と「組織診」は違うものですか?
A: 「生検」と「組織診」は密接に関連していますが、厳密には異なる概念です。
生検:生きた組織を採取する行為自体を指します。
組織診:採取した組織を顕微鏡で詳しく調べる診断方法を指します。
つまり、生検で採取した組織を用いて組織診を行うという関係にあります。日常的には、この一連の流れを総称して「組織診」と呼ぶことも多いです。
Q:針生検で硬くなるのはなぜですか?しこりになったような気がします
A: 針生検後に採取部位が一時的に硬くなったり、しこりのように感じられたりするのは正常な反応です。
組織の損傷と修復:針を刺して組織を採取することで、その部分に小さな損傷が生じます。体はこれを修復しようとして、一時的に炎症反応を起こします。
内出血:針を刺した際に、微小な血管が傷つくことがあります。これにより、組織内に血液が溜まり、硬く感じられることがあります。
組織の再生:損傷を受けた組織が再生される過程で、一時的に周囲の組織より硬く感じられることがあります。
通常、この硬さやしこりの感覚は1〜2週間程度で徐々にやわらぎます。ただし、硬さが増したり、痛みが強くなったりする場合は、医師に相談することをお勧めします。
Q:針生検後にお風呂は入れますか?
A:針生検直後は、穿刺部位を湿らせないことが重要です。
検査当日:シャワーや入浴は避けてください。
検査翌日以降:医師の指示に従ってください。
通常は24時間後から軽いシャワーは可能です。 入浴(湯船につかること)は、48時間以上経過してから行うことをお勧めします。 穿刺部位の状態や個々の状況により、これらの指示が変更されることがあります。不安な点がある場合は、必ず医師に確認してください。
Q:針生検で良性の結果が出た場合、その後はどうなりますか?
A:針生検で良性の結果が出た場合は、定期的な経過観察となります。 通常、6ヶ月後または1年後に再度画像検査(マンモグラフィーや超音波)を行い、変化がないか確認します。
ただし、良性であっても、症状がある場合や、将来的に悪性化のリスクがある場合は、治療を検討することがあります。 重要なのは、良性の結果が出ても、継続的な観察と注意が必要だということです。乳房の状態は時間とともに変化する可能性があるため、定期的な検診と自己観察を続けることが大切です。
予約・お問い合わせ
私たちのクリニックは、女性の院長が在籍しており、女性ならではのお悩みやご不安なことも患者さんに寄り添ってカウンセリングをいたします。
Webからご予約いただけます。まずは気軽にご相談ください。