おっぱいが大きいと乳がんになりやすい?
おっぱいが大きいと可愛い下着がない、重さで肩が凝る、人の目が気になる…色々不都合があったりしますね。(ぜいたくな悩み!なんて声も聞こえてきそうですが)
その上、乳がんになりやすい?なんてことがあったら辛いですね。
…そんなことはありません!
おっぱいが大きい=乳腺が多い
ではないからです。
おっぱいが小さい方の中には「脂肪が全然ないため乳腺組織はしっかりあるのに見た目が小さい」という方もいれば、「乳腺も脂肪も少ない」という方もいます。
同様に、おっぱいが大きい方の中には「脂肪がほとんどで乳腺組織はほとんどない」という方も、「脂肪も乳腺組織もしっかりある」という方もいます。
つまり、見た目で乳腺組織が多いか少ないかはわからないのです。
下はおっぱいの断面図です。
肉まんの中の餡のように乳腺組織があり、その周りを取り囲むように脂肪や結合組織、乳腺を吊り上げるように支えている靭帯などが存在しています。
そして、この餡の部分(乳腺組織)に乳がんが発生します。
※時々、副乳(こちらの記事)というお腹にいた頃にあった乳腺の組織の残りがある方がいて、その方の場合は副乳にも乳腺があるため乳がんができる可能性があるということになります。
乳がんが発生するためには乳腺組織が必要です。
乳腺組織の量は個人差が大きく、遺伝の要素(30-40%程度)もあると言われています。
その中でもいちばん大きく影響を与えるのは女性ホルモンです。
女性ホルモンの働きのひとつに、乳腺を増やすという作用があるため女性ホルモンにさらされる期間が長いほど、乳がんのリスクは上がるのです。
具体的には、初潮が早い(14歳以下)、閉経が遅い(54歳以上)で乳がんのリスクが上がる。
つまり女性ホルモンに長くさらされているということになります。
他にも、出産を経験したことがない、出産した年齢が30歳以上である。というのも乳がんのリスク因子です。
国立がん研究センターの報告で、以下のことがわかっています。
・初潮が早かった(14歳以下)グループと遅かった(16歳以上)のグループでは遅かったグループの方が早かったグループに比べて乳がんのリスクは約4分の1に抑えられていました。
・閉経が早かった(48歳未満)グループと遅かった(54歳以上)のグループでは遅かったグループの方が早かったグループに比べて乳がんのリスクが約2倍高くなりました。
・閉経が早かった(48歳未満)グループと遅かった(54歳以上)のグループでは遅かったグループの方が早かったグループに比べて乳がんのリスクが約2倍高くなりました。
・出産回数が0のグループは出産したことがあるグループに比べて乳がんのリスクが約1.9倍高くなりました。
・出産回数が5回以上のグループは1回のグループに比べて約60%乳がんのリスクが下がっていました。
・出産時の年齢が22歳より低いグループと比べると、30歳以上のグループは約2.1倍乳がんのリスクが高まりました。
こちらの記事でも書いたように、日本人女性は今や9人に1人が乳がんを発症する時代です。