乳腺症

乳腺症とは?

乳腺症は、女性ホルモンのバランスの乱れによって起こる良性の状態です。乳腺組織が過剰に刺激されることで、様々な症状が現れます。主な症状には以下のようなものがあります。

乳房のしこりや張り:乳腺組織の一部が肥大化し、触れると硬い部分として感じられます。
乳房や乳房周辺の痛み:
軽い痛みから強い痛みまで、個人差があります。
乳頭からの分泌物:透明や白っぽい液体が出ることがあります。

これらの症状は生理前に強くなり、生理中や生理後にやわらぐ傾向があります。症状の程度や周期性には個人差があるため、自己判断せずに専門医の診断を受けることが重要です。

乳腺症の原因

乳腺症の主な原因は、エストロゲンとプロゲステロンのバランスの乱れです。特に30代以降の女性に多く見られ、以下の要因が関係していると考えられています。

年齢による女性ホルモンの変化:加齢とともにホルモンバランスが崩れやすくなります。
ストレス:自律神経系を通じてホルモンバランスに影響を与えます。
睡眠不足:ホルモン分泌リズムが乱れる原因となります。
カフェインの過剰摂取:乳腺組織を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。
脂肪分の多い食事:エストロゲン様作用を持つ物質の摂取につながる可能性があります。

これらの要因が複合的に作用し、乳腺症の発症や症状の悪化につながると考えられています。

乳腺症の症状・程度

乳腺症の主な症状は、乳房のしこり、痛み、張り、そして乳頭からの分泌物です。その程度は個人差が大きく、軽度から重度まで様々です。

軽度:
軽い不快感や小さなしこり
・日常生活への影響はほぼなし

中程度:
・明確な痛みやしこり
・生理前に症状悪化
・日常生活に多少の支障あり

重度:
・強い痛みや大きなしこり
頻繁な分泌物
・日常生活に著しい支障あり

多くの場合、症状は生理周期と連動し、左右の乳房に現れやすいのが特徴です。
乳腺症は良性の状態ではありますが、これまでと異なる新たな変化を感じたら、症状の軽重に関わらず受診することが大切です。

乳腺症の検査・診断

当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医による以下の検査を行い、乳がんとの鑑別を含めた正確な診断を行います。

問診と触診:症状の詳細や生活習慣などをお聞きし、乳房の状態を丁寧に確認します。
マンモグラフィ:乳房のX線撮影を行い、しこりや石灰化の有無を確認します。
エコー(超音波検査):しこりの性状や大きさ、内部構造を詳細に観察します。

これらの検査により、症状の原因を特定し、最適な治療方針を立てます。検査結果は丁寧にご説明し、患者さまの不安を解消するよう努めています。

乳腺症の治療

乳腺症は基本的に治療が必要なものではありませんが、症状の程度や患者さんの希望に応じて個別に対応します。

経過観察

軽度の症状の場合は、定期的な検診で経過を見守ります。3〜6ヶ月ごとの検診をお勧めしています。

生活習慣の改善

症状の緩和や予防のため、以下のような生活習慣の改善をアドバイスします。

  • カフェイン摂取の制限:コーヒーや茶の摂取量を減らします。
  • バランスの良い食事:野菜や果物を多く取り入れ、脂肪分を控えめにします。
  • 十分な睡眠:規則正しい睡眠習慣を心がけます。
  • 適度な運動:ウォーキングなど、無理のない運動を継続します。


上記のほか、痛みが強い場合は、ホルモンバランスを整える薬や鎮痛剤を処方して薬物療法を行うこともあります。

乳腺症と乳がんの関係

乳腺症自体が直接乳がんに進行することはまれですが、一部の乳腺症は乳がんのリスクを若干高める可能性があります。また、乳腺症がある場合、乳房組織の密度が高くなり、マンモグラフィでの乳がんの発見が難しくなることがあります。

一方で、乳腺症があることで乳房の変化に敏感になり、結果的に乳がんの早期発見につながる可能性もあります。そのため、乳腺症と診断された場合でも、定期的な乳がん検診は欠かせません。

乳腺症の症状管理や予防のための生活習慣の改善は、乳がんの予防にも役立つ可能性があります。新たな変化や気になる症状があれば、迷わず医療機関を受診することが大切です。

乳腺症のセルフチェック

チェック頻度: 毎月1回、生理が終わって1週間程度経った時期に行うのが理想的です。閉経後の方は、毎月決まった日に行いましょう。

チェックポイント①(鏡の前で)

  • 乳房の大きさや形に左右差がないか
  • 乳頭のへこみや皮膚のただれがないか
  • 両腕を上げた時に乳房の形に変化がないか


チェックポイント②(横になって)

  • しこりや硬いところがないか
  • 痛みを感じる箇所はないか
  • 乳頭を軽く押して、分泌物が出ないか


医療機関での定期的な検診も大切ですが、普段から自身のからだをチェックすることも重要です。

よくある質問(FAQ)

Q: 乳腺症は乳がんになりやすいのでしょうか?

A: 乳腺症自体が乳がんに進行することはほとんどありません。ただし、乳がんとの症状の類似性から、定期的な検診が重要です。乳腺症があることで乳がんの発見が遅れる可能性もあるため、自己触診と定期検診を組み合わせた早期発見が大切です。

Q: 閉経後も乳腺症の症状は続きますか?

A: 多くの場合、閉経後は症状が自然にやわらぐ傾向にあります。これは女性ホルモンの分泌が減少するためです。ただし、個人差があるため、閉経後も定期的な検診をお勧めしています。

Q:乳腺症の痛みはどのようなものですか?

A: チクチクとした痛みや張り感が一般的です。痛みの程度には個人差があります。生理前に痛みが強くなり、生理中や生理後に和らぐ周期性がよく見られます。ただし、強い痛みや持続的な痛みがある場合は、他の疾患の可能性もあるため、必ず診察を受けてください。

Q:治療期間はどのくらいですか?

A: 症状や治療方法によって異なりますが、多くの場合、数ヶ月から1年程度で症状の改善が見られます。生活習慣の改善や薬物療法を組み合わせることで、より早く症状が緩和されることもあります。ただし、完全に症状がなくなるわけではなく、周期的に症状が現れることもあるため、長期的な管理が必要です。

Q:乳腺症は遺伝しますか?

A: 乳腺症自体に強い遺伝性はありませんが、家族歴がある場合、発症リスクが若干高まる可能性があります。ただし、生活習慣や環境要因の影響も大きいため、家族歴があるからといって必ず発症するわけではありません。

Q:乳腺症の予防法はありますか?

A: 完全な予防法はありませんが、以下のような生活習慣の改善が症状の軽減や予防に役立つ可能性があります。

  • バランスの取れた食事を心がける
  • 適度な運動を行う
  • ストレス管理を行う
  • 十分な睡眠をとる
  • カフェインや脂肪分の摂取を控える
  • 定期的なセルフチェックと乳がん検診を受ける

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