「胸が岩のように硬く張り、触れるだけで激痛が走る」「授乳中なのに急に高熱が出て、体がだるくて動けない」
乳腺炎の症状は非常に急激で、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。
しかし、乳腺炎は適切な医学的処置によって、多くの場合速やかに改善できる疾患です。
乳腺炎の約9割は授乳中の方に起こりますが、授乳期以外の方に起こる特殊なケースも存在し、放置すると慢性化の恐れもあります。一人で耐えず、まずは「乳腺炎」の正体を知り、早期回復への一歩を踏み出しましょう。
乳腺炎とは
乳腺炎とは、母乳が通る道である「乳管」やその周囲の組織で炎症が起き、痛み、腫れ、赤み、発熱などを引き起こす状態の総称です。
大きく分けて、授乳中に起こる「授乳期乳腺炎」と、授乳とは無関係に起こる「非授乳期乳腺炎」の2種類があります。
授乳期乳腺炎(全体の約90%): 母乳の詰まり(うっ滞)や、乳頭の傷からの細菌感染が原因です。
非授乳期乳腺炎(全体の約10%): 陥没乳頭による細菌の停滞や、喫煙、ホルモンバランス、あるいは原因不明の免疫反応などが背景にあります。
乳腺炎の主な症状
- 胸の一部分が赤く腫れている(皮膚に熱感がある)
- 触れると激しい痛みがある(ズキズキとした痛み)
- 授乳しても消えない「硬いしこり」がある
- 38度以上の急激な発熱や寒気がする
- 乳頭から膿(うみ)のような分泌物が出る
- 脇の下のリンパ節が腫れて痛む
- 全身の倦怠感や関節痛(インフルエンザのような症状)がある
これらの症状は、授乳中に起こる「授乳期乳腺炎」だけでなく、授乳期以外の方にも共通して見られるサインです。
授乳中の方の乳腺炎:なぜこんなに痛むのか?
授乳期の乳腺炎は、母乳の「出口」が詰まることから始まります。
原因:なぜ詰まってしまうのか
授乳間隔が空きすぎたり、赤ちゃんの吸う力が弱かったりすることで母乳が乳腺内に停滞します。また、寝不足や過度なストレス、サイズの合わない下着による圧迫も引き金となります。
症状:単なる「張り」との違い
生理的な「張り」は授乳後にスッキリしますが、乳腺炎の場合は「授乳しても消えないしこり」「皮膚の赤み」「インフルエンザのような節々の痛み」が現れます。この段階まで来ると、セルフケアだけでの解決は困難です。
「乳がん」との見分け方
「胸が赤く腫れてしこりがある」という症状は、非常に稀ですが「炎症性乳がん」という特殊なタイプのがんと似ていることがあります。
乳腺炎: 抗生剤の服用や処置によって、数日〜1週間程度で劇的に改善します。
注意が必要なケース: お薬を飲んでも赤みが全く引かない、あるいはしこりが徐々に大きくなる場合は、乳がんや膿瘍(膿の塊)の可能性を疑い、精密な再検査を行う必要があります。
「乳腺炎だと思っていたら、実は……」というケースを避けるためにも、初期段階でエコー診断を受けておくことが何よりも大切です。
「すぐに受診すべき」乳腺炎のサイン
以下の症状がある場合は、我慢せずに受診してください。
- 38度以上の発熱がある。
- 胸の一部が真っ赤に腫れ、強い熱感がある。
- 痛みで授乳ができない、または抱っこができないほど辛い。
- しこりが大きくなり、皮膚が波打つように動く(膿が溜まっているサイン)。
授乳期ではないのに、乳輪の周りに痛みや腫れを繰り返している。
症状がなくても大切な「定期検診」
当院は京都府・京都市の乳がん検診実施医療機関です。乳がんは早期発見・早期治療がその後の経過に大きな影響を及ぼします。
対象: 40歳以上の女性の方(2年に1回の定期検診)
自治体から案内が届いた方はもちろん、検診のタイミングでなくても「以前乳腺炎になった場所にしこりが残っている」など、少しでも変化を感じたら迷わずご相談ください。
乳腺炎の再発を防ぐために(セルフケアのポイント)
乳腺炎は一度治っても、生活習慣や授乳環境が変わらないと再発しやすい疾患です。日頃から以下のポイントを意識しましょう。
- 授乳のバリエーションを増やす:
いつも同じ角度で授乳していると、特定の乳管だけに母乳が残りやすくなります。縦抱き、フットボール抱きなど、赤ちゃんの抱き方を変えて「飲み残し」がないようにしましょう。 - 胸を圧迫しない下着選び:
ワイヤー入りのブラジャーや、サイズのきつい下着は乳管を圧迫し、詰まりの原因になります。授乳期はできるだけ締め付けの少ないマタニティブラやノンワイヤーのものを活用してください。
- 水分補給とバランスの良い食事:
血液や母乳の循環を良くするため、水分(お水やノンカフェインの茶など)をこまめに摂取しましょう。また、高脂質な食事の摂りすぎは母乳の粘度を高めると言われています。野菜中心のバランスの良い食事を心がけてください。 - 無理のない休息を:
睡眠不足や過度のストレスは、ホルモンバランスを乱し免疫力を低下させます。周囲のサポートを借り、お母様自身の体を休めることも立派な乳腺炎対策です。
ご予約から診察までの流れ
当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医による以下の検査を行い、乳がんとの鑑別を含めた正確な診断を行います。
乳腺外科では、女性医師と女性スタッフが対応します。
「これまではなかなか聞きづらかった」「こんなこと聞いていいのか分からない」のようなお悩みをお持ちの方も、安心して何でもご相談ください。
ご予約
当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。
診察(問診・触診)
専門医が症状の詳細や生活習慣などをお聞きし、乳房の状態を丁寧に確認します。これにより、患者さまの状態を総合的に把握します。
不安な症状がある方は、安心してご相談ください。診察の結果、必要に応じて検査を行います。
検査
検査の種類や順序は、症状や年齢に応じて最適なものを選択いたします。
ここでは、乳腺外科でよく行う検査について説明します。
超音波(エコー)検査による「膿」の確認
乳腺炎の検査で最も重要なのがエコー検査です。炎症が起きている場所をリアルタイムで観察し、「単なる炎症(蜂窩織炎)」なのか「膿が溜まっている状態(膿瘍)」なのかを判別します。
もし膿が溜まっている場合は、お薬だけでなく膿を出す処置が必要になるため、この診断が治療の分かれ道となります。
炎症性乳がんとの識別
前述の通り、稀に乳がんと乳腺炎の症状が似ていることがあります。
当院では、炎症の広がり方やリンパ節の腫れの状態を詳しくチェックし、少しでも疑わしい場合は、炎症が落ち着いた後にマンモグラフィ検査や精密な組織検査(生検)を組み合わせ、見落としのない診断を行います。
再発を繰り返す場合の精密な分析
特に授乳期以外(非授乳期)に乳腺炎を繰り返す場合は、背景に別の疾患や生活習慣(喫煙など)が隠れていることがあります。当院では「なぜ繰り返すのか」という原因まで踏み込み、一人ひとりに最適な管理計画をご提案します。
治療について
これらの検査結果を総合的に判断し、適切な診断と治療方針を決定します。
当クリニックは、女性院長の在籍のもと、乳腺外科では女性医師と女性スタッフのみで対応しておりますので、安心してご来院・ご相談いただけます。不安な症状のある方は、まずはお気軽にご相談ください。
ソウクリニック四条烏丸の特長
女性医師・女性スタッフによる安心の診療体制
当クリニックの乳腺外科では、女性医師と女性スタッフが対応いたします。「これまでなかなか聞きづらかった」「こんなこと聞いていいのか分からない」といったお悩みも、安心してご相談いただけます。
最新の医療機器による精密検査
超音波検査、マンモグラフィ検査など、最新の医療機器を用いて正確な診断を行います。症状や年齢に応じて最適な検査方法を選択いたします。
予約制で待ち時間を短縮
電話またはWEBからご予約いただけます。WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約可能です。予約制のため待ち時間も少なく、プライバシーが保たれた空間でスムーズに受診していただけます
よくある質問(FAQ)
Q: 乳腺炎になると母乳育児を中止しなければなりませんか?
A: 多くの場合、母乳育児は継続可能です。むしろ、頻繁な授乳や搾乳が症状改善に役立ちます。ただし、医師の指示に従ってください。
Q: 乳腺炎の治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
A: 軽度から中等度の場合、適切な治療を受ければ数日から1週間程度で改善することが多いです。重症の場合はさらに時間がかかることがあります。
Q:授乳期ではないのに乳腺炎になるのは、何かの病気の前触れですか?
A: 喫煙や構造的な問題、あるいは特殊な炎症の可能性があります。授乳期以外の方は、乳管の構造(陥没乳頭など)や生活習慣が関係していることが多いです。また、しこりを伴う場合は乳がんとの識別が不可欠ですので、早めの受診をお勧めします。
Q: 乳腺炎は再発しやすいですか?
A: 一度乳腺炎を経験すると再発のリスクが高まります。そのため、適切な予防策を講じることが重要です。
Q: 抗生物質を使用しても授乳は可能ですか?
A: 多くの抗生物質は授乳中でも使用可能です。ただし、医師の指示に従い、適切な薬剤を選択する必要があります。
Q: 非授乳期の乳腺炎はどのように対処すればよいですか?
A: 非授乳期の乳腺炎も基本的な治療法は同じですが、原因が異なる可能性があるため、詳細な検査が必要になることがあります。
Q: 乳腺炎と乳がんの症状の違いは何ですか?
A: 乳腺炎は通常、急性の症状(痛み、発赤、熱感)を伴いますが、乳がんは多くの場合、無痛性のしこりとして現れます。ただし、炎症性乳がんは乳腺炎に似た症状を示すことがあるため、適切な検査が重要です。
Q:男性も乳腺炎になることがありますか?
A: まれですが、男性も乳腺炎になることがあります。特に、乳房肥大症(女性化乳房)のある男性や、特定の薬剤を使用している場合にリスクが高まります。
Q:乳腺炎の痛みを和らげるホームケアの方法はありますか?
A: 温罨法、冷罨法(症状に応じて)、乳房マッサージ、頻繁な授乳や搾乳などが効果的です。また、十分な休息をとることも重要です。
Q:喫煙は乳腺炎に影響しますか?
A: はい、特に「非授乳期」の乳腺炎に強く関係しています。
ニコチンの影響で乳管が収縮したり、細菌が繁殖しやすい環境が作られたりするため、喫煙習慣がある方は乳輪周辺の炎症(乳輪下乳腺炎)を繰り返しやすい傾向にあります。
予約・お問い合わせ
私たちのクリニックは、女性の院長が在籍しており、女性ならではのお悩みやご不安なことも患者さんに寄り添ってカウンセリングをいたします。
Webからご予約いただけます。まずは気軽にご相談ください。




