帯状疱疹って何がこわいの?子供の時に水疱瘡になったらもう大丈夫?予防のためのワクチンってお高いんでしょう?
帯状疱疹は水疱瘡と同じように、水痘・帯状疱疹ウイルスを原因として発症する疾患です。
初期は皮膚のピリピリした痛みなどで気が付き、数日すると皮膚に赤みや水ぶくれ、ぶつぶつした湿疹のようなものが出てきます。
放置すると皮疹(皮膚の湿疹)が全身に広がることがあり、顔面に広がった場合は顔面神経麻痺や視力障害をひきおこすこともあります。
皮疹が治った後も神経痛が続くことがあり、これを帯状疱疹後神経痛と呼びます。
この痛みや感覚障害は数か月から数年続く場合があり日常生活にとても支障をきたし、精神的にも大変負担を感じるものです。
帯状疱疹後神経痛に対してはさまざまな治療が試されていますが、一度発症すると完全に痛みを取り除くことは難しいとされています。
帯状疱疹の初期診断は難しいことも多いですが、皮疹が出てきてからすぐに治療をすることで、帯状疱疹後の神経痛の発症を抑えることができます。
帯状疱疹が発症する原因
水痘・帯状疱疹ウイルスはいわゆる水疱瘡の原因ウイルスであり、一度感染するとヒトの体内に潜伏することが知られています。
水痘・帯状疱疹ウイルスは神経の中に潜んでおり、疲れや睡眠不足、ステロイド治療などによる免疫機能低下、がん、ストレスなどにさらされることにより再活性化することがあります。
再活性化すると皮膚に湿疹や神経痛を引き起こし、これを帯状疱疹と呼びます。
成人の90%近くがすでに感染しているといわれています。
帯状疱疹の治療
抗ウイルス薬による薬物治療を行います。
皮疹が出てきたらなるべく早く抗ウイルス薬を投与します。皮疹出現から3日以内に治療を開始することが望ましいです。
基本飲み薬による内服治療ですが、重症の場合には入院して点滴による治療をする場合があります。
帯状疱疹の予防
帯状疱疹ワクチンで予防します。
対象は50歳以上の方で、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。
生ワクチンはウイルスの活性を弱めたもの、不活化ワクチンは病原性をなくしウイルスの一部のみを使用したものです。
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生ワクチン(水痘ワクチン) |
不活化ワクチン(シングリックス) |
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接種回数 |
1回 皮下注射 |
2回(2か月の間隔で) 筋肉注射 |
発症予防効果 |
60歳以上で51.3% |
50歳以上で97.2% |
神経痛予防効果 |
66.5% |
88.8% |
効果持続期間 |
5年程度 |
9年以上 |
接種できない方 |
妊娠されている方 |
特になし |
費用 |
1回 22,000円 |
1回 7,700円 |
帯状疱疹にならないために
日ごろから体調管理を心がけましょう。
加齢や疲労などによる免疫低下が発症のリスクです。
食事のバランスに気を付ける、睡眠をきちんととるなど注意しましょう。