頻尿とは
頻尿とは、通常よりも排尿の回数が多くなる症状のことを指します。一般的に、1日8回以上トイレに行く、または2時間に1回以上排尿する状態を頻尿と定義します。この症状は、単なる水分摂取量の増加や生活習慣によるものから、深刻な泌尿器系の疾患まで、様々な原因が考えられます。
年齢や性別を問わず発生する可能性があり、特に高齢者や女性に多く見られます。夜間頻尿は睡眠の質を低下させ、日中の活動にも大きな影響を与えることがあります。原因は多岐にわたり、単純な水分過剰摂取から、糖尿病、前立腺肥大、膀胱炎、過活動膀胱、ストレス、ホルモンバランスの変化、神経系の疾患、薬の副作用など、多様な要因が関与しています。
適切な診断と治療が重要で、生活の質(QOL)に大きな影響を与える可能性があるため、継続的な症状がある場合は医療機関への相談が推奨されます。単なる不便さだけでなく、潜在的な疾患の兆候となることもあるため、軽視できない症状です。
頻尿の症状
・朝起きてから就寝までに8回以上トイレに行く
・突然強い尿意に襲われ、我慢できないほどの切迫感がある
・尿意を我慢できず、不随意に尿が漏れてしまうことがある
・排尿後も膀胱に尿が残っているような違和感(残尿感)を感じる
・尿意を我慢すると下腹部に痛みや圧迫感を感じる
・1回の排尿量は少なめだが、頻繁にトイレに行きたくなる
・くしゃみやせきなどの際に不随意に尿が漏れる
・夜間に1回以上トイレのために起きる(夜間頻尿)
・排尿時に力まないと尿が出にくい、またはスムーズに出ない
これらの症状が2~3項目以上当てはまる場合は、一度医療機関でご相談されることををお勧めします。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
頻尿の原因
頻尿の原因は、過活動膀胱、残尿(排尿後にも膀胱の中に尿が残ること)、多尿(尿量が多いこと)、尿路感染・炎症、腫瘍、心因性に分けることができます。
過活動膀胱
過活動膀胱は、膀胱の筋肉が不随意に収縮することで、突然の強い尿意や頻尿を引き起こす症状です。神経系の異常や加齢により、膀胱の蓄尿機能と排尿機能のバランスが崩れ、正常な膀胱の動きが阻害されることで発生します。
年齢とともに増加する傾向があり、生活の質に大きな影響を与える可能性があります。
残尿
残尿は、排尿後も膀胱内に尿が残っている状態を指します。前立腺肥大症や神経因性膀胱などが主な原因で、膀胱の排尿機能が低下することで生じます。
残尿量が多いと、尿路感染症のリスクが高まり、さらに頻尿を悪化させる可能性があります。適切な診断と治療が重要な症状です。
多尿
多尿は、1日の尿量が過剰に多くなる状態を意味します。糖尿病、利尿剤の服用、過剰な水分摂取、コーヒーやアルコールの摂取などが原因として挙げられます。
体内の水分バランスや代謝の異常により発生し、頻尿の主要な要因の一つとなります。夜間頻尿の原因にもなるため、生活習慣の見直しが重要です。
尿路感染・炎症
尿路感染・炎症は、膀胱炎や尿道炎などの感染症により引き起こされる頻尿の原因です。細菌感染によって膀胱や尿道の粘膜が炎症を起こし、刺激によって頻尿や排尿時の痛みが生じます。女性は身体的特徴から、男性よりも感染リスクが高く、適切な治療が必要不可欠です。
腫瘍・結石
腫瘍・結石は、膀胱や腎臓、尿道などの尿路系に発生する腫瘍や結石が頻尿を引き起こす原因となります。腫瘍は膀胱や尿道を圧迫し、結石は尿路に炎症や痛みを引き起こすことで、排尿機能に影響を与えます。
早期発見と適切な治療が重要で、症状が続く場合は専門医の診察が推奨されます。
心因性
心因性の頻尿は、心理的なストレスや不安が身体に影響を与えることで発生します。過度の緊張や不安が自律神経系に作用し、膀胱機能を変化させ、頻尿を引き起こします。
心理的要因が身体症状として現れる典型的な例で、ストレス管理や心理カウンセリングが改善に有効な場合があります。
頻尿の検査について
頻尿の検査方法は様々で、患者さまの症状等に応じて検査を受けていただきます。
排尿日誌
24時間の排尿状況を詳細に記録する検査方法です。1日の排尿回数、1回の排尿量、尿意の強さ、夜間の排尿回数などを自身で記録します。正常な排尿パターンから逸脱している状況を客観的に把握でき、頻尿の原因や程度を専門医が診断する重要な資料となります。
記録には、水分摂取量や排尿のタイミング、尿意の切迫感なども含めます。
採血検査
血液中の糖値、腎機能、ホルモンバランス、炎症反応などを調べます。糖尿病や腎臓病、ホルモン異常による多尿の有無を確認します。血糖値が高い場合や腎機能に異常がある場合、それらが頻尿の原因となっている可能性を診断できます。
尿検査
尿中の細菌、白血球、血液、タンパク質などを調べ、尿路感染症や炎症の有無を確認します。特に女性の場合、膀胱炎などの感染症が頻尿の原因となっていないかを診断します。尿糖や尿中ケトン体のチェックにより、糖尿病など代謝性疾患のスクリーニングも行います。尿路系の異常や潜在的な疾患を発見する重要な検査です。
超音波検査(エコー)
膀胱や前立腺、腎臓の形状や大きさ、残尿量を非侵襲的に観察します。前立腺肥大や膀胱壁の肥厚、腫瘍の有無、尿路の形態異常などを確認できます。
特に残尿量は、排尿機能の評価に重要で、通常20ml以下が正常とされています。
痛みを伴わない検査で、頻尿の原因となる器質的な問題を詳細に調べることができます。
頻尿の治療について
頻尿の治療は、検査結果をもとに、主に薬物療法と運動療法によって進められます。症状の改善を慎重に観察していきます。
薬物治療
薬物治療では、過活動膀胱に対して抗コリン薬や β3作動薬が処方されます。これらの薬は膀胱の過剰な収縮を抑制し、尿意の頻度と切迫感を軽減します。
症状や原因によって、前立腺肥大症には α1遮断薬、尿路感染症には抗生物質が処方されます。
運動療法
運動療法では、骨盤底筋トレーニングが効果的です。膀胱を支える筋肉を鍛えることで、尿失禁や頻尿の改善が期待できます。
具体的には、骨盤底筋を収縮させ、5-10秒間維持する運動を1日複数回行います。
また、ヨガや軽いストレッチも骨盤周辺の筋肉をほぐし、排尿機能の改善に寄与します。
ご予約から診察までの流れ
当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医により検査・治療を行っております。
ご不明な点がある場合は、お気兼ねなくご相談ください。
※以下は一例です。症状により検査および治療内容は異なりますのでご了承ください。
ご予約
当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。
来院・受付
ご予約いただいたお時間にご来院ください。
事前問診が未回答の方は問診表にご記入いただきます。
紹介状や健康診断の検査結果をお持ちになってご相談されたい方は、受付時にお渡しください。
検尿
検尿をご提出いただきます。
お悩みによっては検尿が不要な場合もございます。
基本的には検尿をお願いしておりますので、来院直前でのお手洗いはお控えください。
診察(問診・触診)
医師による診察を行います。
症状やお悩みについておうかがいします。
診断内容に基づき、治療方針をご説明いたします。
検査
追加で検査が必要な場合は検査を行います。
検査によっては、結果が出るまで数日かかる場合がございます。
検査結果および治療方法については医師が丁寧にご説明し、患者さまの不安解消に努めています。
お悩みや不安があれば、何でもご相談ください。
治療
治療を開始します。
経過観察が必要な場合は、次回のご来院のご予約をお取りいただきます。
ソウクリニック四条烏丸の特長
1.プライバシーに配慮した医院設計
泌尿器科は、そのお悩みや病気の性質上、「かかるのが恥ずかしい」「相談しにくい」と思われる方が多いようです。当クリニックでは、安心してご相談いただけるよう話し声が漏れない構造など、プライバシーに細部まで配慮したつくりになっております。話しづらいと思われることでも、心置きなくご相談いただけます。
2.分かりやすく丁寧な説明
当たり前かもしれませんが、当クリニックでは患者様に分かりやすい丁寧な説明を心がけております。
「医師の言っていることが分かりにくかった」「納得できないまま治療が始まってしまった」ということがないよう、患者さまお一人ひとりに対して説明する時間を十分にとり、分かりやすい言葉でお話しております。ご不明時は遠慮なくいつでも仰ってください。
3.総合的な健康へのアプローチ
当クリニックは泌尿器科だけでなく、複数の診療科目を設置しております。例えば、男性であればメンズヘルス外来、女性であれば婦人科、乳腺外科などです。患者さまの症状や検査結果に応じては、泌尿器科に限定することなく、他の診療科目と連携しながら治療計画を立てることができるため、総合的な健康へのアプローチができるという点からも高い信頼感・安心感をいただいております。
よくある質問(FAQ)
Q: 頻尿は年齢とともに普通に起こることですか?
A: 年齢とともに頻尿のリスクは高まりますが、「普通」と諦める必要はありません。加齢による筋力低下や前立腺肥大、ホルモンバランスの変化が影響しますが、適切な治療や生活習慣の改善により症状を軽減できます。放置せずに医療機関に相談することが重要です。
Q: 水分摂取を控えれば頻尿は改善されますか?
A: 水分を極端に制限することは推奨できません。十分な水分摂取は体の健康に不可欠です。ただし、就寝前2-3時間は水分摂取を控えめにし、カフェインや アルコールの摂取を減らすことで、夜間頻尿を改善できる可能性があります。
Q:頻尿は性行為と関係がありますか?
A: はい、特に女性の場合、性行為後に膀胱炎を発症し、頻尿につながることがあります。性行為の前後に排尿し、陰部を清潔に保つことで、尿路感染のリスクを減らすことができます。また、骨盤底筋の状態も排尿機能に影響を与えます。
Q:ストレスと頻尿は関係がありますか?
A:ストレスは自律神経系に影響を与え、頻尿を引き起こす可能性があります。過度の緊張や不安は膀胱機能を変化させ、頻尿や尿意切迫感を引き起こすことがあります。ストレス管理や瞑想、運動などでこれらの症状を改善できる場合があります。
Q:頻尿は重大な病気のサインになりますか?
A:頻尿は様々な疾患の初期症状である可能性があります。糖尿病、前立腺肥大、膀胱炎、過活動膀胱、神経系の疾患など、多岐にわたる原因が考えられます。継続的な症状がある場合は、早めに医療機関で精密検査を受けることをお勧めします。
予約・お問い合わせ
私たちのクリニックは、患者さまのお悩みや不安に寄り添うことを第一にしております。話しづらいこと、気になっていることなど、我慢せず何でもお話ください。
Webからは24時間ご予約いただけます。まずは気軽にご相談ください。