淋病とは
淋病(りんびょう)は、淋菌という細菌によって引き起こされる性感染症の一つです。クラミジアと並んで世界的に最も一般的な細菌性性感染症であり、適切な治療を行わなければ深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
淋病は主に性行為を通じて感染し、感染部位は性器(男性の尿道、女性の子宮頸管・尿道・バルトリン腺)だけでなく、咽頭(のど)や直腸など様々な粘膜にも感染します。男性では多くの場合、尿道炎による排尿痛や膿性の分泌物などの症状が現れますが、女性では約半数が無症状であることが特徴です。そのため、自覚症状がないまま感染が進行し、合併症を引き起こしたり、パートナーに感染させたりするケースも少なくありません。
近年では、抗生物質に対する耐性菌の出現が世界的な問題となっており、WHOも警鐘を鳴らしています。日本でも耐性菌の増加が報告されており、治療の難しさが増しています。
淋病は早期発見・早期治療が重要で、適切な抗生物質治療により治癒可能ですが、放置すると男女ともに不妊症などのリスクが高まります。また、HIV(エイズウイルス)への感染リスクも高めることが知られています。
淋病の症状
女性の場合
- おりものの増加や異常(黄緑色や黄色)
- 外陰部の痛みやかゆみ
- 排尿時の痛みや灼熱感
- 下腹部痛や腰痛
- 性交時の痛み
- 不正出血(月経期間外の出血)
- 咽頭感染では喉の痛みや違和感
女性の約50%は無症状のことが多く、感染に気付きにくい特徴があります。
男性の場合
- 尿道から膿のようなものが出る(黄緑色や白色)
- 排尿時の強い痛みや灼熱感
- 尿道口の発赤や腫れ
- 頻尿感
- 精巣の痛みや腫れ(精巣上体炎を併発した場合)
- 前立腺の痛み(前立腺炎を併発した場合)
- 咽頭感染では喉の痛みや違和感
感染後2~7日程度で症状が現れることが多いですが、男性の約10%は無症状のこともあります。
早めの検査・治療が重要です
淋病を放置すると深刻な合併症を引き起こす恐れがあります。女性では骨盤内炎症性疾患を発症し、不妊症や子宮外妊娠のリスクが高まります。男性では精巣上体炎や前立腺炎の発症につながることもあるほか、全身に感染が広がると関節炎や皮膚病変を引き起こす可能性もあります。さらに、HIV感染のリスクも3~5倍に増加します。
淋病は症状がなくても感染している可能性があります。性感染症の早期発見・早期治療は将来の健康を守るための重要なステップです。心配な方は、まずは医療機関での検査をお勧めします。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
淋病の感染経路
淋病は主に性的接触によって感染する細菌性感染症で、粘膜同士の接触を介して感染します。感染者の性器分泌物や体液に含まれる淋菌が、相手の粘膜(性器、口腔、直腸など)に接触することで感染が成立します。
コンドームの使用は感染リスクを大幅に減少させますが、完全には防げない場合もあります。また、感染した母親から出産時に新生児へ感染することもあり、新生児結膜炎の原因となることがあります。
淋菌は環境中での生存時間が短いため、タオルやトイレの便座などの生活用品からの感染はほとんどありません。また、プールや浴槽などの共用施設からの感染もほぼないとされています。
淋病の検査
尿検査
淋病の検査では、尿検査により淋菌の遺伝子を検出します。初尿(排尿の最初の部分)を採取して検査するため、痛みがなく簡便です。感染から数日経過後の検査が望ましく、精度は高いとされています。特に男性では尿道感染の検出率が高く、最も一般的に行われる検査方法です。
咽頭検査
咽頭(のど)の淋菌感染を調べる検査です。綿棒で扁桃や咽頭後壁などののどの奥を拭い、検体を採取します。症状がない場合でも感染していることがあるため、リスク行為があった場合には積極的に検査を受けることが推奨されます。特に薬剤耐性淋菌の温床になりやすい部位としても重要視されています。
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検査費用はこちらをご参照ください。患者さまの症状を丁寧にヒアリングした後、実施する検査を決めていきます。
淋病の治療
淋病の治療は、適切な抗生物質を用いることで行われます。しかし近年、世界的に薬剤耐性淋菌が増加しており、治療が難しくなっているのが現状です。
現在の日本における標準的な治療法は、注射薬の単回投与が主流となっています。重症例や特定の状況では、抗生物質を併用することもあります。クラミジアとの重複感染が多いため、両方の感染症を同時に治療することが一般的です。
治療を開始すると、多くの場合2~3日程度で症状は改善します。しかし、症状が改善したからといって治療を中断するのは危険です。必ず医師の指示に従い、処方された抗生物質を最後まで服用することが重要です。
治療中は性行為を控え、パートナーも同時に検査・治療を受けることが再感染防止のために必須です。過去60日以内に性的接触のあったパートナー全員に検査を勧めるべきとされています。
治療後は、治療効果を確認するための検査を受けることが推奨されます。特に症状が持続する場合や薬剤耐性が疑われる場合には必ず再検査を行う必要があります。
淋病の予防策
コンドームの正しい使用は最も重要な予防法です。必ずコンドームを使用し、オーラルセックスの際にもコンドームなどのバリア方法を用いることが推奨されます。ただし、コンドームでも完全には防げないことを理解しておきましょう。
性的パートナーの数を制限することも感染リスクを下げる効果があります。特に不特定多数との性的接触は感染リスクが高まります。
定期的な性感染症検査も重要です。症状がなくても定期的に検査を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。新しいパートナーとの関係が始まる前に互いに検査を受けることも有効な予防策です。性感染症に関する正しい知識を持ち、オープンなコミュニケーションを取ることも重要です。パートナーと性的健康について話し合い、感染の可能性がある場合は性行為を控えるなどの対応が必要です。
淋病を放置すると合併症のリスクも
淋病は適切な抗生物質治療で完治可能ですが、治療が遅れるほど合併症のリスクが高まります。症状がある場合はもちろん、リスクのある性行為があった場合は症状がなくても検査を受けることをお勧めします。
ご予約から診察までの流れ
当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医により検査・治療を行っております。
ご不明な点がある場合は、お気兼ねなくご相談ください。
※以下は一例です。症状により検査および治療内容は異なりますのでご了承ください。
ご予約
当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。
来院・受付
ご予約いただいたお時間にご来院ください。
事前問診が未回答の方は問診表にご記入いただきます。
検尿
検尿をご提出いただきます。
お悩みによっては検尿が不要な場合もございます。
基本的には検尿をお願いしておりますので、来院直前でのお手洗いはお控えください。
診察(問診・触診)
医師による診察を行います。
症状やお悩みについておうかがいします。
診断内容に基づき、治療方針をご説明いたします。
検査
追加で検査が必要な場合は検査を行います。
検査によっては、結果が出るまで数日かかる場合がございます。
検査結果および治療方法については医師が丁寧にご説明し、患者さまの不安解消に努めています。
お悩みや不安があれば、何でもご相談ください。
治療
治療を開始します。
経過観察が必要な場合は、次回のご来院のご予約をお取りいただきます。
ソウクリニック四条烏丸の特長
1.プライバシーに配慮した医院設計
泌尿器科は、そのお悩みや病気の性質上、「かかるのが恥ずかしい」「相談しにくい」と思われる方が多いようです。当クリニックでは、安心してご相談いただけるよう話し声が漏れない構造など、プライバシーに細部まで配慮したつくりになっております。女性の方も、女性医師が担当しますので、話しづらいと思われることでも、心置きなくご相談いただけます。
2.分かりやすく丁寧な説明
当たり前かもしれませんが、当クリニックでは患者様に分かりやすい丁寧な説明を心がけております。
「医師の言っていることが分かりにくかった」「納得できないまま治療が始まってしまった」ということがないよう、患者さまお一人ひとりに対して説明する時間を十分にとり、分かりやすい言葉でお話しております。ご不明時は遠慮なくいつでも仰ってください。
3.総合的な健康へのアプローチ
当クリニックは泌尿器科だけでなく、複数の診療科目を設置しております。例えば、男性であればメンズヘルス外来、女性であれば婦人科、乳腺外科などです。患者さまの症状や検査結果に応じては、泌尿器科に限定することなく、他の診療科目と連携しながら治療計画を立てることができるため、総合的な健康へのアプローチができるという点からも高い信頼感・安心感をいただいております。
よくある質問(FAQ)
Q: 淋病はオーラルセックスでも感染しますか?
A: はい、感染します。オーラルセックスを通じて咽頭(のど)に感染することがあります。この場合、喉の痛みや違和感が生じることもありますが、多くの場合は無症状です。コンドームでリスクを減らせます。
Q: 淋病は検査でどれくらいの期間で分かりますか?
A: 感染から1~2日経過で検出可能になります。ただし早すぎる検査では偽陰性になる可能性があるため、リスクのある性行為から1週間経過してからの検査が望ましいです。
Q:淋病に効く市販薬はありますか?
A: ありません。淋病は必ず医療機関で適切な診断と抗生物質治療を受ける必要があります。耐性菌が増えているため、適切な抗生物質の選択が重要です。自己判断での治療は症状を悪化させる恐れがあります。
Q: 淋病は一度かかると免疫ができますか?
A: いいえ、淋病に対する免疫はできません。治療して完治しても、再び感染する可能性があります。そのため、治療後も継続的な予防措置が必要です。
Q:淋病と共にクラミジアにも感染していることはありますか?
A:はい、頻繁にあります。淋病とクラミジアの重複感染は一般的で、約30~50%の症例で見られます。そのため多くの医療機関では両方の検査を同時に行い、必要に応じて両方に効果のある治療を行います。
予約・お問い合わせ
私たちのクリニックは、患者さまのお悩みや不安に寄り添うことを第一にしております。話しづらいこと、気になっていることなど、我慢せず何でもお話ください。
Webからは24時間ご予約いただけます。まずは気軽にご相談ください。