乳頭の切れ・亀裂とは
「乳首がピリピリ痛む」「かさぶたのように皮がむけている」「乳頭に細かいひび割れがある」
このような乳頭の切れや亀裂にお悩みの女性は少なくありません。
乳頭や乳首の切れ・亀裂とは、皮膚の表面に細かなひび割れや切れ目が生じ、ヒリヒリした痛みや出血、かさぶたなどを伴う状態を指します。乳頭は非常にデリケートな部位で、乾燥や摩擦などの物理的刺激だけでなく、ホルモンバランスの変化、皮膚疾患、さらには乳がんの前兆まで、様々な原因で亀裂や切れが生じる可能性があります。
一時的な傷であれば適切なケアで改善することが多いですが、繰り返す・痛みが強い・治らない場合は、放置せずに専門医の診察を受けることが大切です。特に乾燥しやすい季節や、衣類との摩擦、外的刺激によって悪化することがあります。
主な症状
- ヒリヒリ・ピリピリとした痛み
- 乳首の表面に細かいひびや切れ目
- 赤みや軽度の腫れ、熱感
- 出血またはかさぶたの形成
- 乾燥して皮がむける状態
- 衣類に触れると痛みが増強
これらの症状がみられる場合は、早めのケアと適切な医療機関への相談を検討することが重要です。
乳頭が切れる主な原因
乳頭の皮膚は非常に薄く、わずかな刺激でも簡単に傷ついてしまいます。以下に、特に多くみられる原因をご紹介します。
1. 外部刺激による要因
サイズの合わないブラジャーや硬い生地による摩擦
乾燥の強い季節やエアコンの使用による皮膚の乾燥
洗剤・柔軟剤の成分による接触性皮膚炎
2. ホルモンバランスの影響
- 月経前後、妊娠中、更年期などの女性ホルモンの変動
- 皮膚のバリア機能低下により、平常時と同じ刺激でも亀裂が起こりやすくなる
3. アレルギー・皮膚トラブル
- 化粧品、ボディクリーム、シャンプーなどによる接触性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎によるバリア機能の低下
4. 不適切なスキンケア
- 石鹸での洗いすぎ・洗浄力の強いボディソープの使用
- 刺激の強いケア用品の使用
- クリームなどケア用品に含まれる化学物質による刺激
5. 疾患による要因
後述する乳頭湿疹、カンジダ感染症、パジェット病などの皮膚疾患や、まれに乳がんの初期症状として現れる場合があります。
乳頭の亀裂が見つかった時のセルフケア・予防法
症状が軽度の場合は、適切な自宅ケアで改善が期待できる場合があります。まずは以下の対策を実践してみてください。
1.摩擦・刺激を避ける
- 綿100%やシームレス素材などお肌にやさしいブラジャーを選択
- 自宅では下着をつけずノーブラで過ごす時間を作り、通気性を確保
- サイズの合ったブラジャーを着用
2.保湿ケアの徹底
- ワセリンや保湿クリームを使用
- 入浴後、タオルで押さえるように水分を拭き取った後に保湿を行う(強くこすることは避けてください)
- こまめな保湿を心がける
3.衛生管理と洗浄の見直し
- 入浴時は石鹸の使いすぎを避け、泡でやさしく洗浄(乳首はデリケートな部位のためごしごしとこすらず、円を描くように洗ってみてください)
- 入浴後はタオルでこすらず、押さえるように水分を取る
- 刺激の少ない洗浄料を選択
4.生活習慣の改善
- 皮膚の修復に必要な栄養素(ビタミンA、E、亜鉛など)を含む食事を摂ることを心がけましょう
- 十分な睡眠とストレス管理
乳頭の亀裂で疑われる疾患
乳頭が頻繁に切れる、慢性的に治らない、かゆみやただれがある場合は、以下の疾患が隠れている可能性があります。
接触性皮膚炎
原因:洗剤・ボディソープ・スキンケア製品など
症状:赤み、かゆみ、乾燥、細かいひび割れ
対処:原因を取り除くこととステロイド外用薬の使用
アトピー性皮膚炎
原因:体質・乾燥・アレルゲンなどの複合的要因
症状:左右対称のかゆみ・湿疹の出現・皮膚が厚くなる
対処:保湿・抗炎症剤の塗布・生活習慣の改善
カンジダ皮膚炎(乳頭カンジダ)
原因:真菌(カビ)の一種であるカンジダによる感染
症状:ピリピリとした痛み・乳頭の赤み:白っぽい膜
対処:抗真菌薬の塗布や内服治療
乳頭湿疹(乳輪湿疹)
原因:下着の摩擦、汗による蒸れ、授乳による刺激やホルモンバランスの変化
症状:乳頭周囲にただれ・皮むけ・かゆみ
対処:保湿剤や外用薬による治療
パジェット病(乳頭の乳がん)
パジェット病は、乳頭や乳輪に湿疹様の症状が現れる乳がんの一種で、非浸潤性乳管がんが乳頭と乳輪に広がることで発症します。
症状:片側だけにびらん・かゆみ・かさぶた状の変化が続く
不安症状が続く場合は医療機関の受診を
セルフケアで改善が見られない場合、または以下の症状がある場合は、速やかに乳腺外科を受診することをおすすめします。
受診の目安となる症状
- 原因不明の乳頭の切れが2週間以上続く
- 乳頭の発赤、腫れ、膿の出現
- 乳頭の変形、陥没、自発痛がある
- 乳房にしこりや乳頭分泌物がある
- 片側だけに症状が現れる
- セルフケアを続けても改善しない
乳頭の切れ・亀裂と乳がんの関連性
乳頭の切れ・亀裂の主な原因は、物理歴要因にはじまり、皮膚疾患や感染症、母乳育児に関連した局所的な問題などが知られています。しかし、なかには乳がんが背景にある場合もあります。
乳がんは乳房の上皮組織に発生する悪性腫瘍で、しばしば乳頭に変化を及ぼします。乳頭に生じる乳がん関連の症状には「乳頭の引っ込み、乳頭の変形、乳頭からの分泌物、乳頭の発赤・腫れ、乳頭の自発痛」が挙げられますが、これらの症状は、しばしば乳頭の切れ・亀裂を引き起こします。つまり、原因不明の乳頭の切れが続く場合は、乳がんの可能性を考慮する必要があるのです。
当院は京都府・京都市の乳がん検診を受け入れております
乳がんは早期発見・早期治療が予後に大きな影響を及ぼします。そのため、定期的な乳房検診を心がけ、何か変化を感じたら迷わず受診することを勧めします。
京都府では、40歳以上の女性の方に、2年に1回の乳がん検診を案内しており、当クリニックでも受け入れを行っております。
自治体より検診の案内が届いた方は、お早めにご予約ください。また、定期検診のタイミングでなくても、不安な症状が続く場合は、いつでもご相談ください。
ご予約から診察までの流れ
当クリニックでは、最新の医療機器と経験豊富な専門医による以下の検査を行い、乳がんとの鑑別を含めた正確な診断を行います。
乳腺外科では、女性医師と女性スタッフが対応します。
「これまではなかなか聞きづらかった」「こんなこと聞いていいのか分からない」のようなお悩みをお持ちの方も、安心して何でもご相談ください。
ご予約
当クリニックでは、お電話とWEBよりご予約・お問い合わせを受け付けております。
※WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約いただけます。
TEL:050-1720-1847 (9:00-13:00/13:00-17:00 日祝休診 ※毎週木曜は19:00まで診療)
予約制のため待ち時間も少なくスムーズに受診することができます。
診察(問診・触診)
専門医が症状の詳細や生活習慣などをお聞きし、乳房の状態を丁寧に確認します。これにより、患者さまの状態を総合的に把握します。
不安な症状がある方は、安心してご相談ください。診察の結果、必要に応じて検査を行います。
検査
検査の種類や順序は、症状や年齢に応じて最適なものを選択いたします。
ここでは、乳腺外科でよく行う検査について説明します。
・超音波検査(エコー)
痛みがなく、放射線被ばくのない安全な検査です。乳房の内部構造を詳細に観察でき、小さなしこりの発見に優れています。
・マンモグラフィ検査
乳房のX線撮影を行い、状態を観察していきます。乳がんの特長である石灰化の有無など、病変の検出にも有用です。
・組織検査(生検)
パジェット病などが疑われる場合、皮膚の組織を採取して顕微鏡で詳しく調べます。
治療
これらの検査結果を総合的に判断し、適切な診断と治療方針を決定します。
授乳指導も行っておりますので、授乳の方法や姿勢についてのご相談も受け付けております。
当クリニックは、女性院長の在籍のもと、乳腺外科では女性医師と女性スタッフのみで対応しておりますので、安心してご来院・ご相談いただけます。不安な症状のある方は、まずはお気軽にご相談ください。
ソウクリニック四条烏丸の特長
女性医師・女性スタッフによる安心の診療体制
当クリニックの乳腺外科では、女性医師と女性スタッフが対応いたします。「これまでなかなか聞きづらかった」「こんなこと聞いていいのか分からない」といったお悩みも、安心してご相談いただけます。
最新の医療機器による精密検査
超音波検査、マンモグラフィ検査など、最新の医療機器を用いて正確な診断を行います。症状や年齢に応じて最適な検査方法を選択いたします。
予約制で待ち時間を短縮
電話またはWEBからご予約いただけます。WEBでは受付時間以外でも24時間365日ご予約可能です。予約制のため待ち時間も少なく、プライバシーが保たれた空間でスムーズに受診していただけます。
よくある質問(FAQ)
Q:乳頭の切れが見つかった場合のすぐにできる対処法は?
A: まずは刺激を避けて患部を清潔に保つことが大切です。石鹸の使用は控え、ぬるま湯で優しく洗い流した後、清潔なタオルで水分を押さえるようにふき取ります。ワセリンや保湿クリームを薄く塗り、下着や衣類との摩擦を減らすようにしましょう。痛みや出血が続く場合は、早めに乳腺外科を受診してください。
Q:いつ医師に相談すべきですか?
A: 原因不明の乳頭切れが2週間以上続く場合、または症状が悪化する場合は早めに専門医に相談することをおすすめします。特に片側だけの症状、乳頭の変形や陥没、分泌物がある場合は速やかに受診してください。
Q:乳がんが原因の乳頭切れと、そうでない場合の違いはありますか?
A: 乳がん由来の乳頭切れ(パジェット病など)は、しばしば片側だけに現れ、乳頭の変形や陥没、持続する症状が特徴です。一方、外的刺激や皮膚疾患による乳頭切れは両側に現れることが多く、原因を取り除くことで改善しやすい傾向があります。ただし、自己判断は危険ですので、気になる症状があれば専門医にご相談ください。
Q:乳頭の亀裂の予防方法はありますか?
A: 適切なサイズのブラジャーを着用し、綿などの肌に優しい素材を選ぶこと、こまめな保湿ケア、石鹸での洗いすぎを避けることが効果的です。また、アレルギーの原因となる化粧品や洗剤を避け、ストレス管理と十分な睡眠を心がけることも大切です。
もし原因が母乳育児関連の場合は、正しい授乳テクニックの習得、保湿ケア、刺激の少ない洗剤や化粧品の使用などが効果的です。基礎疾患がある場合はその治療も大切です。
Q:乳頭切れは治りにくいですか?
A:適切なケアを行えば、多くの場合1-2週間程度で改善します。ただし、感染症や基礎疾患がある場合は治りが遅くなることがあります。症状が長引く場合や繰り返す場合は、専門医による診断と治療が必要です。
Q:乳首の付け根が切れて痛いのですが、すぐに受診すべきでしょうか?
A: 乳頭の皮膚は薄くデリケートであるため、乾燥やホルモンバランスの変化で切れることがあります。数日間しっかり保湿をして、それでも痛みが引かない、膿が出るような場合には受診をおすすめします。また、片側だけの症状や乳頭の変形を伴う場合は早めに受診してください。
予約・お問い合わせ
私たちのクリニックは、女性の院長が在籍しており、女性ならではのお悩みやご不安なことも患者さんに寄り添ってカウンセリングをいたします。
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