乳がんってどんながん

乳がんは今、日本人女性の9人に1人がかかるがんとなり、日本人女性のかかるがんの第一位になっています。

また、30-64歳の女性の死亡数でも第一位となっています。

私が乳腺外科医の道を歩み始めた2011年では日本人女性の乳がん罹患率は12人に1人であったので、この10年余りで急激に増加しています。

その数は30代後半から増加し、40代と60代にふたつのピークがあります。

つまり社会的にも家庭内でもたくさんの役割を担う年代に多いがんであり、私たち乳腺外科医は乳がん治療をするとともに生活において気をつけること、仕事を含む社会生活をどのように継続するかの工夫など各々の患者さんとともに相談していく必要があります。

乳がんは治る

乳がんは治る?

乳がんは女性全体で罹患率(かかる率)は上昇していますが、死亡率は大腸がんや肺がんよりも下になっています。

これは乳がんがそもそもよく治るということもありますし、検診の大切さが知られるようになってきたことで早期に発見される方が増えてきたこともあると思います。また、様々な新規薬剤が出てきて治療ができるようになってきたことも関係していると考えられます。

乳がんのStage 0での5年生存率は100%、stage Iでは99.8%と非常に高く定期的に検診を受診し、早期発見に努めることで治癒を目指すことも可能です。

ただ、残念ながら京都府と滋賀県の乳がん検診受診率は全国平均を下回っています。

 毎年10月に行われているピンクリボン運動など啓発活動は定期的に行われているものの認知度が低いのか、なかなか受診に結びついていません。

乳がんができる部位

乳がんは自分で触って確かめられる数少ないがんです。

できる部位として最も多いのは上外側4分の1で、わかりにくい部位としては乳頭の真下になります。

しこりとして見つかることが多いですが、乳頭からの分泌物(とくに血性のもの)として見つかることもあります。

自覚症状がない場合もあるため、やはり定期的な健診を受けて異常がないことを確認することが望ましいです。

乳がんの遺伝について

乳がんは遺伝性の場合もあります。

有名なものに乳がん卵巣がん症候群(HBOC)という、生涯で乳がんと卵巣がんを発症する可能性が高くなるものがあります。

原因の遺伝子はBRCA1、BRCA2でいずれかに変異があると70歳になるまでに45-60%乳がんを発症する可能性があると言われています。これは遺伝子変異がない方の約5-6倍となります。

遺伝性の乳がんの場合、子孫へ受け継がれていく可能性があり慎重な経過観察が必要となります。

子孫が男性であっても遺伝子変異は受け継がれることがあるため、HBOCと指摘された方がいる場合 家系図などで家族歴をしっかり把握することが大切になります。

男性乳がんについて

乳がんといえば女性のみの疾患というイメージが強いですが、男性にも発症することはあります。

発症自体は稀ですが、男性の場合発見が遅れることも多いため知識として男性乳がんというものがあることを知っておく必要があります。

男性で乳房が大きくなるとき、大体は女性化乳房という薬の影響によって出る副作用になります。

思春期などのホルモンバランスが変動する時期に胸が膨らんだり、痛みを感じることもあります。

まとめ

・乳がんにかかる方は増えている

・乳がんは早期発見で治る可能性がある

・男性でも乳がんにかかる可能性がある

自己触診、乳がん健診で早期発見をしましょう。

ソウクリニック四条烏丸